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「最低賃金が上がったのに、自分の給料は全然増えない……」

そんな疑問や不満を感じている人も多いのではないでしょうか。

毎年のように最低賃金の引き上げがニュースになりますが、実際には給料が変わらない人も少なくありません。

特に、正社員として働いている人からは「パートやアルバイトの時給は上がるのに、なぜ正社員の給料はそのままなの?」という声も聞かれます。

実は、最低賃金が上がったからといって、すべての労働者の給料を引き上げる義務が会社にあるわけではありません。

ただし、最低賃金を下回っている場合は法律違反となり、給料の差額を請求できる可能性があります。

この記事では、最低賃金が上がっても給料が変わらない理由をはじめ、正社員とパートの違い、違法になるケース、給料が上がらないときの対処法についてわかりやすく解説します。

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最低賃金が上がっても給料が変わらないのはなぜ?

結論からいうと、現在の給料が改定後の最低賃金を上回っていれば、会社には最低賃金の引き上げに合わせて給料を上げる法的義務がないためです。

最低賃金とは、会社が労働者に支払わなければならない賃金の最低額を定めた制度です。

例えば、最低賃金が時給1,100円から1,200円に引き上げられたとします。

この場合、もともと時給1,100円で働いていた人は、原則として時給1,200円以上に引き上げる必要があります。

しかし、すでに時給1,300円で働いている人については、会社が必ず給料を上げなければならないわけではありません。

最低賃金が上がった場合の給料の違い

例:最低賃金が1,100円から1,200円に引き上げられた場合

改定前の時給

1,100円

引き上げが必要

1,200円

改定前の時給

1,300円

据え置きでも適法

1,300円

※金額は制度を説明するための仮の例です。実際の最低賃金は都道府県や業種、適用日によって異なります。

つまり、最低賃金の引き上げは、すべての労働者の給料を一律に増やす制度ではないのです。

最低賃金が上がっても給料が変わらない5つの理由

最低賃金が引き上げられても給料が増えない背景には、いくつかの理由があります。

1. すでに最低賃金を上回っているから

最も多い理由の一つが、現在の給料がすでに最低賃金を上回っていることです。

最低賃金法では、会社に対して最低賃金以上の賃金を支払うことを義務付けています。

しかし、最低賃金を上回っている人の給料まで、一律に引き上げることは求めていません。

そのため、最低賃金が上がっても、給料が据え置きになることがあります。

2. 正社員は月給制だから

正社員の場合、時給ではなく月給で給料が決まっていることが多いでしょう。

しかし、月給制であっても最低賃金法は適用されます。

月給を所定労働時間で割り、時給に換算した金額が最低賃金を上回っていれば、法律上は問題ありません。

例えば、月給22万円で働いている人の場合、最低賃金が引き上げられても、時給換算額が新しい最低賃金以上であれば、給料が変わらないことがあります。

3. 会社の給与制度が最低賃金と連動していないから

企業によっては、昇給の時期や金額が独自の給与制度で決められています。

例えば、毎年4月に昇給する会社では、最低賃金の改定が秋に行われても、すぐに全社員の給料が見直されるとは限りません。

ただし、最低賃金を下回る場合は、会社の昇給時期に関係なく、改定後の最低賃金を守る必要があります。

4. 会社が人件費の増加を抑えているから

最低賃金の引き上げによって、企業の人件費は増加する場合があります。

特に、パートやアルバイトを多く雇用する企業では、最低賃金に近い時給の従業員への対応が必要になります。

その結果、最低賃金を上回っている従業員については、昇給を見送るケースも考えられます。

5. 基本給以外の手当が含まれているから

最低賃金を計算する際には、基本給だけでなく、一部の手当も対象になります。

例えば、職務手当や役職手当など、最低賃金の計算に含められる手当があります。

そのため、基本給だけを見ると最低賃金より低く感じても、対象となる手当を含めると最低賃金を上回っている場合があります。

ただし、残業代や通勤手当など、最低賃金の計算に含めない賃金もあるため注意が必要です。

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最低賃金が上がっても正社員の給料が変わらないのはおかしい?

最低賃金の引き上げによってパートやアルバイトの時給が上がる一方、正社員の給料が変わらないケースもあります。

そのため、「正社員なのに給料が上がらないのはおかしい」と感じる人もいるでしょう。

しかし、法律上は、正社員とパート・アルバイトで最低賃金の適用ルールに基本的な違いはありません。

正社員も最低賃金の対象になる

最低賃金は、原則として次のような働き方の人に適用されます。

  • 正社員

  • 契約社員

  • 派遣社員

  • パート

  • アルバイト

雇用形態にかかわらず、最低賃金を下回る賃金で働かせることは原則として認められません。

ただし、最低賃金以上の給料を受け取っている場合、会社が必ず昇給させる義務はありません。

最低賃金が上がってもパートの時給が変わらない理由

パートやアルバイトの場合も、現在の時給が新しい最低賃金以上であれば、会社が必ず時給を引き上げる必要はありません。

例えば、最低賃金が1,150円から1,200円に引き上げられた場合、時給1,250円のパート従業員は、そのままの時給でも法律上は問題ありません。

一方、時給1,180円の従業員については、改定後の最低賃金を下回るため、時給を引き上げる必要があります。

新人とベテランの時給が同じになることも

最低賃金の引き上げによって、新人とベテランの時給差が縮まるケースもあります。

例えば、次のような場合です。

従業員 改定前 改定後
新人アルバイト 1,100円 1,200円
勤続5年のパート 1,200円 1,200円

この場合、新人の時給は100円上がりますが、勤続5年のパート従業員は変わりません。

最低賃金法だけを理由に、勤続年数に応じた時給差を維持する義務が生じるわけではないためです。

ただし、会社の就業規則や賃金規程などに昇給の定めがある場合は、その内容も確認する必要があります。

2026年の最低賃金はいくら?給料が変わらない人も確認しよう

2026年度も全国で最低賃金の引き上げが進められています。

厚生労働省が2026年9月に発表した答申では、全国加重平均額は1,177円で、前年度の1,121円から56円の引き上げとなりました。

厚生労働省+1

主な都道府県の2026年度最低賃金は、次のとおりです。

都道府県 最低賃金(時給) 発効日
東京都 1,280円 2026年10月1日
神奈川県 1,279円 2026年10月1日
大阪府 1,231円 2026年10月1日
愛知県 1,195円 2026年10月1日
福岡県 1,114円 2026年10月4日
北海道 1,131円 2026年10月1日

最低賃金比較チェック+1

なお、都道府県によって発効日が異なり、2026年11月7日時点では、まだ新しい最低賃金が適用されていない地域もあります。

自分の勤務先に適用される金額と発効日は、厚生労働省の地域別最低賃金全国一覧で確認できます。

最低賃金が上がっても給料が変わらないのは違法?

最低賃金が上がっても給料が変わらないこと自体は、必ずしも違法ではありません。

重要なのは、現在の賃金が改定後の最低賃金を下回っていないかどうかです。

違法になるケース

例えば、東京都で時給1,250円のアルバイトをしている場合です。

東京都の最低賃金は2026年10月1日から1,280円になっています。

そのため、特例的な減額許可などがないにもかかわらず、10月1日以降も時給1,250円のまま働かせていれば、最低賃金法違反になります。

この場合、会社は不足する差額を支払う必要があります。

違法にならないケース

一方、東京都で時給1,350円のアルバイトをしている場合、2026年10月の最低賃金改定後も時給1,350円のままであることは、最低賃金法上は問題ありません。

ただし、会社の賃金規程や雇用契約に別途昇給の定めがある場合には、その内容も確認する必要があります。

自分の給料が最低賃金を下回っていないか計算する方法

最低賃金を下回っていないか確認するには、給料を時給に換算する必要があります。

時給制の場合

時給制の場合は、現在の時給と最低賃金を比較するだけです。

月給制の場合

月給制の場合は、最低賃金の計算対象となる月給を、1か月平均所定労働時間で割って計算します。

最低賃金チェック計算機

月給制の方が、時給換算額を簡単に確認できる計算例です。

あなたの時給換算額

1,187.5円

入力した最低賃金を下回っています

最低賃金との差:-92.5円/時

簡易計算です。残業代・通勤手当・家族手当などは除外し、職務手当など対象となる手当は含めます。歩合給や特殊な賃金体系の場合は別途計算が必要です。

例えば、月給20万円のうち通勤手当が1万円、1か月平均所定労働時間が160時間の場合、最低賃金の対象となる賃金は19万円です。

時給換算すると1,187.5円になります。

この場合、東京都の2026年度最低賃金1,280円を下回るため、原則として賃金の見直しが必要です。

厚生労働省+1

最低賃金が上がったのに給料が上がらないときの対処法

給料が変わらないことに疑問を感じたら、まずは自分の給与条件を確認しましょう。

1. 給与明細と雇用契約書を確認する

基本給や各種手当、労働時間を確認し、最低賃金を下回っていないか計算します。

2. 会社の給与担当者に確認する

最低賃金を下回っている可能性がある場合は、給与担当者や人事部門に確認しましょう。

例えば、「最低賃金が改定されたようですが、現在の給与は新しい最低賃金に対応していますか?」と尋ねる方法があります。

3. 労働基準監督署に相談する

最低賃金を下回っているのに会社が対応しない場合は、勤務先を管轄する労働基準監督署に相談できます。

給与明細や雇用契約書、勤務記録などがあると、状況を説明しやすくなります。

4. 昇給交渉を検討する

最低賃金を上回っていて法律上の問題がない場合でも、会社に昇給を相談することはできます。

勤続年数や担当業務、仕事の成果などを整理し、給与の見直しを相談してみましょう。

最低賃金と給料に関するよくある質問

Q. 最低賃金が50円上がったら、自分の時給も50円上がりますか?

必ずしも上がりません。新しい最低賃金を上回っている場合、会社には同じ金額だけ昇給させる義務はありません。

Q. 最低賃金が上がっても正社員の基本給はそのままでいいのですか?

最低賃金の対象となる賃金を時給換算し、新しい最低賃金以上であれば、最低賃金法上は問題ありません。

Q. 最低賃金より給料が低い場合、差額をもらえますか?

原則として請求できます。最低賃金を下回る賃金の取り決めは、その部分が無効となり、最低賃金額で契約したものとみなされます。

Q. 最低賃金の改定はいつから給料に反映されますか?

各都道府県で定められた発効日から適用されます。給料の締め日や支払日によって、新しい金額が給与明細に反映される時期は異なります。

Q. 最低賃金が上がったのに手取りが増えないのはなぜですか?

社会保険料や税金の控除額が変わったり、勤務時間が減ったりすることが考えられます。時給が上がっていても、手取り額が必ず増えるとは限りません。

Q. 最低賃金は交通費込みで計算してもいいですか?

いいえ。通勤手当は最低賃金の計算から除外します。残業代、賞与、家族手当なども原則として含めません。

最低賃金比較チェック+1

まとめ|最低賃金が上がっても給料が変わらないのには理由がある

最低賃金が上がっても給料が変わらない最大の理由は、現在の給料がすでに新しい最低賃金を上回っているためです。

最低賃金制度は、すべての労働者の給料を一律に引き上げる制度ではありません。

一方で、正社員やパート、アルバイトなどの雇用形態に関係なく、最低賃金を下回る賃金で働かせることは原則として違法です。

2026年度も最低賃金が引き上げられているため、給与明細や雇用契約書を確認し、自分の給料が新しい最低賃金を下回っていないかチェックしておきましょう。

最低賃金が上がっても給料が変わらないこと自体は違法ではありませんが、最低賃金を下回っている場合は差額を請求できる可能性があります。

不安がある場合は、会社の給与担当者や労働基準監督署などに相談することが大切です。

参考資料・公式情報

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