民事裁判では、お金や権利といった実質的な利益を得るといった目的の傾向があるため、判決までいかなくても、裁判の途中で原告側と被告側双方が合意し、和解で決着する場合が多いようです。

訴訟中に、裁判官から「折り合いをつけて和解をしませんか?」と勧められることがあります。

しかし、和解を勧められたからと言って強制力はないので、和解に応じなくても構いません。

では、裁判所からの和解勧告を拒否した場合に、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?

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裁判所が出す和解勧告とは?

民事裁判では、両当事者の争いを最終的に「判決」によって解決を図るものと、訴訟の途中で、両当事者が話し合って解決する「訴訟上の和解」があります。

訴訟が始まってから、あらゆるタイミングで和解の可能性を考慮していて、多くは争点及び証拠の整理、または尋問が終わったタイミングで和解を提案されます。

和解案は、双方の言い分を汲み取って作成されます。
当事者に和解の意向があると思ったら、裁判所は当事者にあれこれ心をくばり、和解解決への努力を惜しみません。

しかし、和解勧告に強制力はなく、当事者が応じるか応じないかは任意です。
双方の合意がないと和解は成立しないので、一方が和解案を拒否すれば裁判は続き、最終的に判決となります。

拒否した場合のメリット

話し合いで結論が出ないから提起したのに、現実には、和解で終了するということが多いようです。
なかには、きっちりと白黒つけたい!だから和解には応じない!ということもあるでしょう。

和解は、お互いの言い分を汲み取って和解の内容が決まるため、相手側に一定の譲歩をしなければいけません。

こちら側が有利に進んでいるのに、途中で和解をすると気持ちはモヤっしたまま終わることになるかもしれませんね。
判決で、きっちり白黒つけることで気持ちもスッキリするのではないでしょうか。

また、和解は一度成立してしまうとひるがえることはないですが、判決では一度確定していても控訴することができるといったことが和解勧告を拒否した場合のメリットといえます。

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拒否した場合のデメリット

和解は、成立すればその時点で裁判は終了。控訴もありませんので、その分裁判がはやく終わることもあります。

そんな和解に対して、判決はこちら側が勝訴したとしても、敗訴した相手側が審判決を不服として控訴する可能性があり、その場合、さらに上級裁判所で裁判が続くことになって、追加の弁護士費用や時間を掛けなければいけません。

また、和解は成立した場合、和解調書というものが作成され、和解調書には、確定した判決と同じ効力を持ちます。

和解で解決すると、相手も納得したうえで和解に応じているため、裁判後も約束に応じてもらいやすいですが、判決までいったからといって、裁判後に相手が100%約束に応じてくるいった保証もありません。

まとめ

裁判官が双方に和解を勧めるのは、判決文を書くことは大変な時間と労力を要するため、和解で解決をすると、裁判官はこの判決文を書かなくて済む、といったことも理由の一つなんだとか。

しかし、裁判になるほどの争いごとがないことが一番良いということに変わりはありません。

万が一、そんな場面になった時には、自分に寄り添ってくれて信頼となんでも相談ができる弁護士に担当してもらうことができたなら、スムーズに裁判が終わるかもしれませんね。

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