食料自給率とは、自国で食べている食料のうち、どのくらい自国で作られているのかを表す割合のことです。
特定の品目を単純に重量で計算することができる品目別自給率、食料全体について共通の単位でそろえることによって計算する総合食料自給率があって、総合自給率には熱量で算出するカロリーベースと、金額で換算する生産額ベースの2通りあります。
日本では、カロリーベースで算出するものが採用されていますので、今回はカロリーベース総合食料自給率を中心に見ていくことにしましょう。
世界の食料自給率 一番高い国は?
食料自給率の首位は264%でカナダ。
カナダは日本の約27倍という広大な国土に、人口は約3,700万人と少なく日本の1/4程度です。
広大な農地面積と作物がよくできる土壌といった、農業生産面で比較的優位にあります。
小麦、大麦、トウモロコシなどの穀物や、畜産物の生産が盛んで、特に菜種は世界一の生産量です。
2018年主要農産物の生産状況を見てみると、
牛肉は、日本が48万トンに対して、カナダは123万トン。
小麦は、日本が76万トン。対してカナダは、なんと3,177万トンです。
カロリーベースでは、人口が少なく、カロリーベースに貢献する穀物や油糧種子などの生産量が多いと優位に立ちます。
カナダは人口が少なく、そして菜種の生産は世界一。
これが食料自給率の推移が高い理由の一つです。
食糧自給率ワースト国はどこ?
食料自給率をいくつかで国と比べると、カナダ、オーストラリア、アメリカなどの食料自給率が100%~200%を超えるなか、日本は40%をきっていて、主要先進国の中でも最低の水準です。
冒頭で、総食料自給率には、カロリーベースと生産額ベースがあって、日本ではカロリーベースが採用されているとお伝えしました。
実は世界では生産額ベースが主流となっていて、カロリーベースを採用しているのは日本以外にほとんどありません。
日本は、世界で5位の農業大国で、米の自給率はほぼ100%ですし、野菜も約80%なんです。
…しかし、そもそも野菜はカロリーが低いですよね。
これがカロリーベース総合食料自給率が低い理由の一つとも言えるようです。
日本の食糧自給率と輸入の多い食品
日本での食料自給率は、なんと38%!
カナダの264%から比べるとかなり低いのが分かります。
そもそも日本は主食(ご飯)が中心でしたが、時代とともに米の消費が減り、肉や乳製品、卵などの油脂の消費が増えてきました。
日本では原材料や、肉、卵、牛乳などの飼料穀物(餌)の多くは輸入に頼っています。
食料自給率においては、輸入した外国産の飼料(餌)を使って国内で飼育した畜産物は、国産には含まれていません。
よって、肉類では、牛肉…9%、豚肉…6%、鶏肉…8%とかなり低い水準となっています。
また、1年間に日本国内で消費されている小麦のうち、日本で作られている小麦は13%と少なく、残りの87%は輸入に頼っているのです。
まとめ
今回は、世界の食料自給率をお伝えしました。
カロリーベースで算出した場合、日本(39%)は、5位のドイツ(95%)とは3倍ほどの差があるのですが、生産額ベースで算出した場合ではドイツも日本も66%と同じなのです。
先進国で見れば、日本の生産額ベース66%は高いわけではないのですが、決して低いわけでもありません。
なぜ日本はカロリーベースを採用しているのでしょう?
一説によると、農林水産省が日本の食料自給率はこんなにも低いです!もっと予算をふり分けて!ということもあるとかないとか…。
しかし、なにより最近の日本は自然災害が多いですし、農家に携わる方の高齢化が進んでいて後継者がいないことの方が問題のような気もしますね。