2022年8月7日放送の「ザ・ノンフィクション」で放送された「いしいさん家」。
認知症や障がいを抱える人を預かる「宅老所」と呼ばれる介護施設です。

この「宅老所」とはどんなところなのか?
老人ホームとは何が違うのか?

利用するための費用は?介護保険が使えるのか?
よくわからないことがたくさんありますね。

そこで、宅老所と老人ホームの違いについてわかりやすく解説したいと思います。

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宅老所とは?

宅老所とは、文字どおり「託児所」の「児」を「老」に変えた介護施設のこと、
1991年、福岡県の「伝昭寺」というお寺の 「よりあい」という宅老所が始まりだと言われています。

「よりあい」はお寺の一部でお年寄りを預かるサービスで、その2年後、富山県で「このゆびとーまれ」という宅老所が開所され、世に広まりました。

宅老所と老人ホームの違い

宅老所は、特別養護施設などの老人ホームとは異なり、一般の民家などを利用して介護事業が行われています。
主にデイサービスが中心で、利用者は自宅にいるような環境で過ごせるメリットがあります。

宅老所は「地域共生型サービス」のひとつであるため、高齢者だけでなく、障がいのある方、子どもなども対象で、利用者のニーズに沿ったサービスが提供されます。

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宅老所のサービス

宅老所は大きく分けて以下の3つのサービスを提供しています。

デイサービス

利用者が日帰りで通うもので、入浴・食事・レクリエーション等のサービスが受けられます。

訪問サービス

利用者の自宅にホームヘルパーが訪問するもので、食事や入浴、排泄などのサポートを受けられます。

宿泊サービス

日中のデイサービスに加えて、宿泊できるサービスです。
宿泊は1日単位、1ヶ月単位など利用者のニーズに対応してもらえます。

宅老所のメリット

宅老所の最大のメリットは小規模であるがゆえに小回りが利くこと。

有料老人ホームなどに宿泊する場合は、数ヶ月前からの予約が必要となりますが、宅老所は明日1日だけ宿泊したいというのも基本的にOK。利用者のニーズに臨機応変に対応してもらえます。
自宅介護を行っている人には非常に助かるサービスです。

宅老所の費用

宅老所はいわゆる老人ホームのように明確な料金規定はありません。
そのため施設によって利用料金が異なります。

一例をあげると、入居費用ゼロ、月10〜12万円という施設もあるようですが、介護保険が適用されるか否かでも料金は変わってきます。

宅老所は介護保険を使える?

宅老所には介護保険の適用を受けている施設と、受けていない施設があるため、介護保険利用での入所を考えている方は、事前にきちんと確認をしておく必要があります。

介護保険を利用した場合の宅老所の費用

介護保険を使った場合の宅老所の費用はおおよそ以下のようになっています。

要介護の方の利用料金(介護保険の1割・目安)

要介護1〜5

・460円〜740円(4~5時間)
・700円〜1,200円(5~6時間)
・720円〜1,250円(6~7時間)

宅老所の問題点

宅老所を利用する際には注意点があります。

設備の問題

宅老所は民家などで高齢者を一時的に預かる施設です。
ボランティア的なところもあるため、身体機能補助設備が脆弱で、生活の質が下がってしまうこともあります。

サービスの質

宅老所は小規模の場合が多く、介護スタッフも少ないという問題があります。
そのため、監視の目が行き届かなくなることもあります。

宅老所のまとめ

地域共生型サービスとして運営されている宅老所。

大規模な老人ホームのようなサービスは受けられませんが、自宅にいるような環境で過ごせるメリットがあり、利用者のニーズに臨機応変に対応してもらえるという良さがあります。

介護の新しい選択肢のひとつとして覚えておくといいのではないでしょうか。

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