事件のニュースで警察が「事情聴取した」「取り調べを行った」という言葉がよく出てきますね。
あなたは「事情聴取」と「取り調べ」の違いがわかりますか?
そこで、その違いをわかりやすく解説したいと思います。
事情聴取とは?
事情聴取は「人に事情を聴く」という意味ですが、通常は事件の捜査で用いられる用語です。
たとえば、何か事件が起きたとき、警察は事情を知っていそうな人物に話を聴きます。
事情を聴かれるのは、犯罪の容疑がかけられた人だけでなく、被害者や目撃者も含まれます。
警察が事情聴取を行う際は「供述調書」という書類が作成されます。
これが事件解決のための証拠資料となります。
取り調べとは?
取り調べは犯罪の容疑がかけられた人に対して行われます。
逮捕されると、警察署内の留置場に収容され、取調室で強制的に警察の質問に答えなければなりません。
ちなみに、在宅捜査というのもあって、この場合は、留置はされず普段通りの生活をすることができますが、警察からの呼び出しを受けたときは応じなければなりません。
逮捕された場合は弁護士を雇うことも出来ますが、取り調べに弁護士が立ち会うことはできません。
弁護士の立ち会いは欧米や韓国、台湾など多くの国、地域で認められていますが、日本では認められていません。
一方、事情聴取も弁護士に同席してもらうことはできませんが、警察署への同行は認められていて、事情聴取の休憩時間に弁護士と過ごすことは可能です。
警察の取り調べでは、被疑者を10日間勾留することができ、さらに10日間延長することができます。
事情聴取は拒否できる?
事情聴取は任意であれば拒否することができます。
また、被害者の場合も事情聴取に応じなくても大丈夫です。
ただし、任意の事情聴取であっても断り続けると、強制的に逮捕されてしまうこともあるので要注意です。
取り調べは拒否できる?
逮捕勾留されているときは取調べを拒否することはできません。
ただし、被疑者には黙秘権が認められているので、取調べで何も話さないこともできます。
とはいえ、警察は徹底した取り調べを行うため、黙秘を貫くのは難しいのが現実です。
「事情聴取」と「取り調べ」の違い
「事情聴取」は、被害者や目撃者などに対しても使う言葉なのに対して、「取り調べ」は、原則として逮捕勾留されている被疑者に対して使う言葉となります。
また、事情聴取は任意であれば拒否することができますが、取り調べは黙秘権は使えても拒否することはできません。
「事情聴取」と「取り調べ」の違いのまとめ
「事情聴取」は関係者に広く事件のことを聴く。
一方、「取り調べ」は逮捕・勾留されている被疑者に事件のことを聴く。
「事情聴取」と「取り調べ」の違いはこう覚えておけばいいでしょう。