徹夜すると、どうしても生活リズムが狂ってしまいます。
眠くて疲れているのに眠れない。
昼間寝てしまったせいで夜眠れない。
徹夜による睡眠不足は、生活リズムを狂わせるばかりか精神状態にも支障を来すことがわかっています。
そこで、生活リズムを戻す徹夜明けの過ごし方をご紹介したいと思います。
睡眠と生活リズム
人間の睡眠は2つの機能でコントロールされています。
・疲れたから眠る「恒常性維持機構(ホメオスタシス)」
・夜になると眠くなる「体内時計機構(生体リズム)」
生活リズムに影響を与えるのは、「体内時計」。
体内時計の機能に関係するのは「光」と「メラトニン」です。
メラトニンとは?
メラトニンは自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。
体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えます。
メラトニンの分泌は主に光によって調節されています。
本来、メラトニンは夜間に多く分泌されるのですが、夜中に強い照明の中にいるとメラトニンの分泌が抑えられます。
その結果、体内時計の働きが乱れてしまい、これが睡眠覚醒リズムが乱れる原因となるのです。
ちなみに、メラトニンは、年齢を重ねるとともに分泌量が減ります。
年をとると朝早く目覚めたり、夜中に何度も目が覚めたり、若い頃より睡眠時間が減ってくるのは、加齢によりメラトニン分泌が減っているからです。
体内時計を整えるのに有効なのは朝の光
人間の体内時計は本来25時間周期ですが、朝の光は体内時計を24時間周期の生活リズムにリセットする働きがあります。
朝、光を浴びると、メラトニンの分泌が止まります。
これによって、脳内の体内時計の針が進み、体内時計がリセットされ、正常な活動ができるようになるのです。
徹夜明けの生活リズムの戻し方
徹夜をした日は夕方まで眠ってしまうことがよくありますが、これはNGです。
その日の夜に眠れなくなり、生活リズムの乱れを逆に長期化させてしまう可能性があります。
どうしても疲れたら午後2~3時くらいの昼寝の時間帯に30分程度の仮眠を取りましょう。
一方、徹夜明けで興奮して眠れない場合がありますが、こういうときは無理に眠る必要はありません。
むしろ明るい昼間は起きて過ごした方がいいです。
そして、夜は早めに寝床に入ってしっかりと睡眠を取ってください。
翌日は眠くても、いつもの起床時刻より2時間程度の寝坊で起きるようにしてください。
前日の疲れが残っていて起きるのが難しい場合でも、午前中には起きて明るい環境で過ごしましょう。
繰り返しますが、体内時計をリセットするには光をしっかり浴びることが重要なのです。
また、朝食もしっかり食べると、体温が高くなり、朝型の生活リズムを取り戻すことができます。
徹夜明けにやってはいけないこと
徹夜明けの生活リズムを元に戻すうえで、やってはいけないのは、「寝だめ」です。
寝だめしてしまうと、昼間の光に当たる機会を逃してしまいます。
すると、翌日の生活リズムが狂ったままになります。
眠くても昼寝程度にとどめておき、夜ぐっすり寝て、朝はできるだけ早く起きるようにしましょう。
おわりに
徹夜明けで狂った生活リズムを戻すには、昼間寝ないこと。
そして、光を浴びることです。
メラトニンの分泌が増える夜はきちんと眠る。
これで健康的な生活を送れるはずです。