「風が吹くと桶屋が儲かる」とは、一見すると全く関係がないと思われる場所や物事に影響が及ぶことを表す言葉です。
また、あてにならないことに期待することの皮肉としても使われます。
では、なぜ「風が吹くと桶屋が儲かる」のか?
その意味や由来、使い方、類語などを詳しく解説します。
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「風が吹くと桶屋が儲かる」の意味
「風が吹くと桶屋が儲かる」という言葉には、次の二つの意味があります。
一つ目は、「意外なところに影響が出る」という意味です。
この場合、「風」と「桶屋」は直接的な因果関係はないのですが、間に複数のステップを経て、結果的に「風が吹くことで桶屋が儲かる」という状況になるということを示しています。
二つ目は、「あてにならない期待をする」という意味です。
この場合、「風が吹くことで桶屋が儲かる」という因果関係はほとんど成り立たないのですが、それでも可能性を信じて期待することを皮肉っています。
「風が吹くと桶屋が儲かる」の由来
「風が吹くと桶屋が儲かる」の言葉の由来は、江戸時代の町人文学である浮世草子の一種である気質物(かたぎもの)にまで遡ります。
気質物とは、江戸時代の人々の性格や習慣を描いた小説のジャンルです。
その中でも、「世間学者気質(せけんがくしゃかたぎ)」や「東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)」に、「風が吹くと桶屋(箱屋)が儲かる」という逸話が登場します。
「東海道中膝栗毛」では、
「強風で土埃が立ち、目に入って盲人が増える。盲人は三味線で生計を立てるために猫の皮が必要になるため、猫が減りネズミが増える。ネズミは桶をかじるため桶の需要が増えるのではないか」
こう考えたある男が、一念発起して全財産を投資して桶を買ったものの、結果的に全然儲からなかったという話が出ています。
このことから、「風→土埃→目→盲人→三味線→猫→ネズミ→桶→桶屋」という因果関係を示しています。
「風が吹くと桶屋が儲かる」の使い方
「風が吹くと桶屋が儲かる」という言葉は、次のような場面で使うことができます。
一つ目は、「意外なところに影響が出る」という場面です。
例えば、「コロナ禍でマスクや消毒液の需要が高まったことで、ゴムやエタノールの生産者も儲かった。まさに風が吹くと桶屋が儲かるというやつだ」というように使うことができます。
二つ目は、「あてにならない期待をする」という場面です。
例えば、「彼は宝くじに当たれば家を買うと言っているけど、それは風が吹くと桶屋が儲かるという話だよ。現実的に考えないとダメだ」というように使うことができます。
「風が吹くと桶屋が儲かる」の類語
「風が吹くと桶屋が儲かる」という言葉には、次のような類語があります。
瓢箪から駒
思いがけないことや道理上はあり得ないことが起こることを表す言葉です。
例えば、「彼が彼女に告白したら、なんとOKの返事が返ってきた。まさに瓢箪から駒だ」というように使うことができます。
因果はめぐる糸車
ある出来事が他の出来事に影響を及ぼし、最終的には元の出来事に戻ってくるという意味の言葉です。
例えば、「彼はかつて自分を裏切った人間に復讐するために、その人間の娘を誘惑した。しかし、その娘に本気で恋をしてしまい、結局は自分が裏切られることになった。因果はめぐる糸車だ」というように使うことができます。
バタフライ効果
ほんの小さな出来事が後々大きな出来事の引き金につながるという意味の言葉です。
例えば、「彼は偶然拾った本を読んで感銘を受け、その本の著者に手紙を書いた。その手紙がきっかけで、彼はその著者と親交を深め、やがてその著者の後継者として名声を得ることになった。これはまさにバタフライ効果だ」というように使うことができます。
まとめ
「風が吹くと桶屋が儲かる」の意味や由来、使い方などを詳しく解説しました。
「風が吹くと桶屋が儲かる」とは、日本語のことわざということわざで、ある事象の発生によって、一見すると全く関係がないと思われる場所や物事に影響が及ぶことや、あてにならないことに期待することの皮肉を表す言葉です。
様々な場面で使うことができるので、覚えておくと役立つかもしれませんね。