中国の不動産大手「恒大集団」の債務危機のニュースが大きな話題になっています。

原因は不動産バブルの崩壊で、世界各国の株価が軒並み下落。
一時は中国発リーマンショックの再来かとも言われました。

このニュースを見て、こんな疑問を持った人もいるのではないでしょうか?

中国人はなぜお金持ちなのか?

中国では、ここ数年タワーマンションが次々に建設され、億ションも登場しています。
こうした高級マンションは一体誰が買うのか?資金はどうやって捻出しているのか?

そこで、中国のお金持ち事情を調べてみました。

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中国人の平均年収は167万円

2021年5月、中国国家統計局が2020年の中国の平均収入を発表しました。
それによると、年収は9万7379元(約167万円)でした。

日本で言えば、低所得者層に分類される金額です。
中国は食料品など物価が安いため、日本の生活水準に換算すると、334万円の価値があるそうですが、不動産となると、話が違います。

上海、北京の人気物件は数億円!

北京や上海の人気エリアだと、1平方メートル150万円を超える物件も珍しくありません。
仮に100平方メートルだとすると、何と1.5億円です。

中国では土地はすべて公有。購入者に所有権はなく、最長70年の定期借地のような権利形態で売買されています。

にもかかわらず、この値段。日本人には想像できないですよね。

そんな億ションが買える中国人。なぜお金持ちなのか?

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中国人はなぜお金持ちなのか?

中国人がお金持ちである理由は、ズバリ不動産の転売です。

都市部では、10年前に400〜500万円で買えたマンションが3,000万円を超えるというケースは日常茶飯事で、転売を繰り返して財を成す人が後を絶ちません。

中国人にとって、不動産とは投資の対象であり、「転売するもの」なのです。

2020年5月、中国人民銀行が発表した調査では、都市部住民世帯の住宅保有率はなんと96%。
2軒保有する割合は31%、3軒を保有する割合は10.5%。
1世帯平均で1.5軒を保有していることがわかったのです。

最初の不動産はどうやって手に入れた?

では、最初の不動産はどうやって手に入れたのか?

改革開放がとられる前の中国では、住宅の建設や管理をしていたのは地方政府や国有企業などで、都市部に住む中国人のほとんどは安い家賃で借りていました。

その後、1990年代後半になって分譲住宅の開発や販売が進むと、賃貸住宅が低価格で払い下げられるようになりました。

これによって、多くの中国人が1軒目の住宅を手入れます。

そして、この物件を元手に転売を繰り返すことで、資産を増やしていったのです。

立ち退き料で莫大な収入

さらに、急速な不動産開発も住人に利益をもたらします。
マンション建設などで、新築の家と莫大な立ち退き料を手にすることになるのです。

要するに、中国の経済発展の恩恵を受けた人たちが裕福になっていった訳です。

おわりに

いかがだったでしょうか?
中国にお金持ちが多いのは不動産の転売によるものだったことがわかって頂けたと思います。

不動産の転売で儲けるためには、価格が上昇することが大前提となります。

ところが、今の中国の不動産市況は供給過多で下落傾向を辿っています。

そこに降って湧いた中国恒大の財務危機。
起こるべくして起こったと言えそうです。

今後中国人のお金持ちは減っていくのか?
それとも新たなバブルで、またお金持ちが増えるのか?

中国の動向には目が離せませんね。

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