大リーグ史上初のダブル規定到達を達成したエンゼルスの大谷翔平選手。
投打二刀流でダブル規定到達はあのベーブ・ルースですら成し遂げられなかった歴史的偉業です。

投手は規定投球回数、打者は規定打席数を超えることですが、その条件はどうなっているのか?
計算方法も合わせてわかりやすく解説したいと思います。

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規定投球回数とは?

投手の「規定投球回」は試合数×1イニングで計算されます。
大リーグの年間試合数は162なので、1シーズンで162回以上投げれば、規定投球回数をクリアすることになります。

仮に1試合9回を完投したとすれば、18試合投げる必要があります。

一方、NPB(日本プロ野球)も試合数×1イニングで計算されます。

日本はアメリカより試合数が少なく、年間143試合なので、規定投球回数は143回となります。

ただし、二軍は試合数 × 0.8で計算されます。
イースタン・リーグは108試合、ウエスタン・リーグは104試合となります。

規定投球回数があるのはなぜ?

規定投球回数があるのは、最優秀防御率という投手タイトルがあるからです。

防御率とは、投手が9イニング(1試合)を投げたとしたら何点に抑えられるかを示す指標です。
規定投球回数を定めていないと、1試合しか投げていない投手でも0点で抑えれば、防御率は0点。

すると、143イニング以上投げて防御率が1点台の投手より防御率が上回ってしまうことになります。

143イニング以上投げた投手の方がチームに貢献したのは明らかですね。
これが規定投球回数が設けられている理由です。

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防御率の計算方法

防御率は以下の式で計算されます。

防御率 = 自責点×9÷投球回数

自責点とは、投手が責任を負わなければならない失点。
野手のエラーなどは含まれません。

一方、最多勝は単純に勝利数なので、規定投球回数に達していなくても受賞できます。

規定投球回数未満の最多勝投手

ちなみに、規定投球回数に満たないで最多勝を獲得した投手は過去に3人います。

・1988年 伊東昭光投手(ヤクルト)
・2005年 下柳剛投手(阪神)
・2020年 石川柊太投手(ソフトバンク)

続いて、規定打席数です。

規定打席数とは?

規定打席数は試合数の3・1倍で計算されます。
大リーグの場合は502打席(小数点以下四捨五入)となります。

一方、NPB(日本プロ野球)も試合数の3・1倍
443打席(小数点以下四捨五入)となります。

規定打席数とタイトル

大リーグ、プロ野球の有名な打撃タイトルには首位打者、本塁打王、打点王の三冠があります。
これらのタイトルは規定打席数をクリアしていない場合どうなるのでしょうか?

まず首位打者ですが、日本プロ野球には以下の例外規定があります。

「必要な打席数に満たない打者でも、その不足数を打数として加算し、なお最高の打率になった場合には、この打者がリーグの首位打者になる」

ただし、この例外規定で首位打者になった一軍選手はいません。
(二軍にはいるようです)

続いて、本塁打王、打点王ですが、こちらは数で決まります。
規定打席数に満たなくても最多数であれば、タイトルを獲得できます。

規定打席数未満の本塁打王

2012年のシーズンでヤクルトのバレンティンは規定打席数に達していませんでしたが、31本で本塁打王を獲得しています。

ちなみに、規定打席数未満で打点王を獲得した選手は過去にいません。

規定投球回数、規定打席数のまとめ

ということで、規定投球回数、規定打席数について解説しましたが、この基準をクリアするのがいかに難しいかがわかって頂けたのではないでしょうか?

にもかかわらず、ダブル到達を達成した大谷選手。
まさに超人級のスーパースターですね。

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