事件や事故で人が亡くなったときによく出てくる「司法解剖」という言葉。
死因を特定するために行うものですが、この司法解剖にかかる費用はいくらくらいかかるのか?
そして、費用は誰が負担するのか?
そんな疑問を持ったことはありませんか?
そこで、司法解剖の費用にまつわる疑問をわかりやすく解説します。
Contents
司法解剖の費用はどれくらい?誰が負担する?
司法解剖は30万円ほどの費用がかかります。
ただし、公費負担となっているので、遺族が負担する必要はありません。
司法解剖の費用は警察の予算から司法解剖を行う法医学施設へ支払われます。
司法解剖はどんな時に行われる?
司法解剖は死亡した人が犯罪などの事件によるものかどうかを明らかにするために行われます。
遺体の外見を見ただけでは死因が特定できない時などに医師が遺体を解剖して体内を確認します。
司法解剖と検視、検死の違い
司法解剖に似た言葉として「検視」や「検死」という言葉があります。
まず「検視」と「検死」の違いですが、「検視」は遺体を解剖せずに外面的な状態を見て死因を調べることを言います。
一方、検死は法律用語ではなく、広い意味での死因の調査のことを言い、解剖まで含められます。
「検視」が必要となるのは、医師が死亡診断書を作成できない場合。
病院や医師の管理下で死亡し、死因が明白で不審な点がないときには検視は行われませんが、それ以外のケースでは検視が必要になります。
自宅や外出先など病院以外で亡くなった場合は「死亡診断書」ではなく、「死体検案書」を作成する必要があります。
死体検案書とは?
「死体検案書」は突発的な事故や自殺など病気以外などの死因で亡くなったときに発行されるものです。
「死体検案書」は検視が終わって犯罪性がないと判断された場合に作成されます。
医師は死因を判断するために「検案」を行い、死亡診断書の代わりに「死体検案書」を作成します。
死体検案書の費用は基本的に遺族負担となります。
死体検案書の費用
死体検案書の作成費用は25,000〜40,000円が相場で、通常は遺族が負担します。
内訳は、
・検案料 20,000円~30,000円
・死体検案書発行料 5,000円~10,000円
となっているようです。
解剖には種類がある
解剖は「司法解剖」以外にも「行政解剖」、「病理解剖」があります。
行政解剖
行政解剖とは、犯罪性はない不自然死など死因が不明確なケースの時に行われます。
行政解剖は遺族の同意は不要で、仮に遺族が拒否しても行政解剖は行われます。
ただし、遺族への配慮から原則同意を得た上で行われることが多いようです。
病理解剖
病理解剖は医療行為のひとつで、病院側が死因の解明、治療効果の判定などを目的に行うもので、費用は病院負担となります。
病理解剖は遺族の了解が必要です。
遺族は司法解剖を要求できる?
警察の検視で犯罪性がないと判断されたものについて,遺族から死因を調べて欲しいという場合、依頼に基づき,死因を判断するために解剖を行うことがあります。
この場合の費用は遺族負担で、80,000円~120,000円が相場と言われているようです。
遺族は司法解剖を拒否できる?
遺族が司法解剖を拒否することはできません。
行政解剖も遺族の承諾は原則不要です。
警察は検視によって犯罪性があると判断した場合は、遺族の承諾なしで司法解剖を行えます。
これは刑事訴訟法という法律に定められています。
司法解剖の費用まとめ
ということで、司法解剖の費用についてご紹介しました。
最後にまとめておくと、
・司法解剖は公費負担
・遺族は司法解剖、行政解剖を拒否できない
・病理解剖の費用は遺族が負担
ひとくちに解剖と言っても、いろんな種類があり、費用がかかるものとかからないものがあります。
この機会にぜひ覚えておいてください。