5月8日放送の「ザ・ノンフィクション」で取り上げられたアオバ住宅社の齋藤瞳さん。
生活保護受給者やDV被害者、高齢者、シングルマザーなど、複雑な事情を抱えた人たちに部屋を紹介している女性社長です。
齋藤さんの取り組みはNHKの「目撃!にっぽん」というドキュメンタリー番組で「おせっかい不動産」としても紹介されました。
アオバ住宅社にやって来る客のほとんどは部屋を借りたくても借りるのが難しい人たち。
大家側は、隣人トラブルや事故、家賃滞納を恐れ、部屋を貸すことに難色を示すからです。
齋藤さんはそんな人たちのために部屋を紹介しているのです。
齋藤瞳さんとは一体どんな人物なのか?
その経歴と活動について調べてみました。
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齋藤瞳さんとは?
齋藤瞳さんは1979年生まれ。千葉県出身。
立教大学法学部卒業後、大手不動産会社に就職。
営業部門に配属され、抜群の営業成績を収めました。
その後、結婚して仕事を辞め、3人の子どもを育てましたが、平成28年、アオバ住宅社を開業。
「一生お付き合いのできる不動産屋」をモットーに、賃貸売買の仲介を行っています。
おせっかい不動産誕生のキッカケ
開業当初は普通の不動産会社として営業していた齋藤さんでしたが、たまたま生活保護を受けている男性が客として訪れたのが仕事の転機だったといいます。
この男性は「区役所からお金が出るので引っ越しをしたい」と相談。
信じられなかった齋藤さんは本人と一緒に区役所の窓口に行ったのがキッカケで、生活困窮者に部屋を紹介するようになったそうです。
苦労の連続!齋藤さんの大家探し
齋藤さんがまず壁にぶち当たったのが、部屋を貸してくれる大家さんを見つけること。
生活保護者や高齢者は敬遠され、100件くらい電話してやっと1件紹介できるくらいだったといいます。
しかし、齋藤さんの活動は口コミで徐々に広がり、ニュースでも取り上げられました。
おかげで部屋を貸してくれる大家さんもどんどん増えていったのです。
実際、世の中には人のためになりたいという大家さんも多く、齋藤さんの活動に共感して部屋を貸したいと申し出てくる人も増えているといいます。
大家さんが生活困窮者に部屋を貸してくれる仕組み
大家さんにとって一番心配なのは家賃をきちんと支払ってもらえるかです。
しかし、齋藤さんはこれを解消するための活動をしています。
それは代理納付制度。
生活保護費を支給する区役所に家賃を代理で納付してもらうという制度です。
齋藤さんは「代理納付制度にしてもらわないと大家さんを説得するのが難しい」と頼み、導入してもらっているといいます。
さらに、齋藤さんは自社で部屋を借り入れ、生活困窮者にサブリースするという方法もとっているのです。
地域で広がる支援ネットワーク
齋藤さんの活動は地域でも賛同する人が増えており、支援の輪が広がっています。
ボランティアとして参加する人も多く、「まちの相談所ネットワーク」などもできています。
現在は月1回の交流会を開催していて、入居者たちのコミュニティの場にもなっているといいます。
また、「アオバ住宅社」では、清掃事業も始めており、生活困窮者に働いてもらうという仕組みまであります。
齋藤瞳さんのまとめ
生活困窮者の部屋探しを支援する齋藤さん。
いろんな人がこの事業をできるようにすることが今後の目標だといいます。
困っている人をそのままに出来ない性格だという齋藤さんは、低所得者への居住支援については、不動産業界の人にもっと関心を持って欲しいといいます。
今後のさらなる活躍に期待したいですね。