江戸時代までに建てられ現在も残っている城は12。その中でも国宝に指定されているのはたったの5つです。
日本の城といえば西洋のものとは一味違った趣があり歴史を感じますね。
今回はそんな城のお話しをしていきます。
Contents
城が国宝に選ばれる基準は?
そもそも、国宝とは何なのでしょうか?
調べてみると「重要文化財のうち、特に優れたもの」とまります。
お城以外で国宝に指定されている建造物は、中尊寺金色堂や日光東照宮、平等院鳳凰堂や厳島神社など、誰もが知っているものが名を連ねています。
「国宝」に指定される基準は大まかに、古さ・美しさ・歴史的価値が特に優れたものといわれていますが、この基準には明確なものがあるわけではありません。
国宝に指定されている5つの城
国宝に指定されている城は5つあります。
ここからは国宝5天守の特徴や見どころをご紹介いたします。
[姫路城]兵庫県
白漆喰の外壁と破風と呼ばれる屋根の構造が美しく、最高傑作とまで呼ばれており世界遺産にも認定されています。
シラサギが羽を広げたようなその美しさから「白鷺城」の愛称で親しまれています。
慶長14年(1609年)に建築され、400年以上経過した今でも美しい姿を残しています。
[彦根城]滋賀県
細部のデザイン性や装飾性が高いのが特徴です。
小ぶりなわりには遠くからもよく見え、威厳を感じます。
内部には隠し狭間が多く設けられており、戦の際にも攻略が難しいとされていました。
彦根城築城以前、彦根山にあった寺院に金の亀に乗った観音像が安置されていたため別名「金亀城」と呼ばれています。
[松本城]長野県
下見板の黒と漆喰の城のバランスが美しく、北アルプスに映える姿が美しいのが特徴です。
連結複合式天守といわれる複雑な構造が唯一のもので、攻城戦を想定した石落としや狭間が多いのが特徴です。別名「からす城」と呼ばれています。
[松江城]島根県
戦に特化しており、外壁はほとんど下見板張りで、石打棚や武者窓が特徴です。
燃えにくく軽い桐材の階段や無数の鉄砲狭間も特徴です。
千鳥が羽を広げたような曲線の屋根「入母屋破風」が東西南北にあることから別名「千鳥城」と呼ばれています。
[犬山城]愛知県
木曽川のほとりの小高い山の上に建てられています。
要衝の景観を構成する立ち姿が、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康が奪い合うほど美しかったようです。
重要文化財に指定されている7つの城
[弘前城]青森県
もともとは「鷹岡城」という名前で5層の天守だったが、落雷によって炎上、火薬庫に引火して大爆発を起こし焼失してしまいました。
現在は3層3階の天守に再建され、白漆喰塗籠の外壁と銅瓦を葺いているのが特徴です。
[丸岡城]福井県
約6000枚の笏谷石の瓦が葺かれている。昭和23年に起きた地震で倒壊してしまいましたが、昭和30年にもともとの材料をそのまま使い復元されました。
[備中松山城]岡山県
現存する天守の中でもっとも標高が高い場所に建てられています。その立地から堅牢な山城は難攻不落の要塞としてあり続けました。
[丸亀城]香川県
ほぼ四角形に作られ、城郭と武家屋敷を含む城下町すべてを土塁で囲んだ城です。
「扇の勾配」と呼ばれる緩やかな曲線の石垣の先に3層3階の白い木造天守が美しく存在しています。
[松山城]愛媛県
現存している12城の中で唯一残っている望楼型二重櫓という構造が特徴です。
これは天守の原型といわれている構造であり昭和25年に「重要文化財」に指定されたのち国の史跡として保護されています。
[宇和島城]愛媛県
壮麗な築城当時の姿を留めている貴重な城です。
地上から見上げると四角形に見えますが、実は五角形になっており籠城戦の際に秘密裏に物資を搬入できたようです。
[高知城]高知県
土佐南海の名城と名高く、安土桃山時代の様式を残しています。
天守以外にも築城当時の追手門や黒鉄門に詰門などが残っている貴重な城です。
国宝の城と重要文化財の城の違い
現在残存している城はすべてが「重要文化財」か「国宝」にしていされています。
「国宝」は「重要文化財」の中でも特に価値の高い唯一無二の文化財として国が指定して登録したものです。
歴史的な史料に基づいて、築造時期や歴史的事実が判然とするというのも判断材料になっているようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
歴史がそのまま形として現存している貴重な城。
当時の人々の暮らしに想いを馳せながら、一度は見に行きたいものですね。