孫子の兵法の有名な一節に「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」というのがあります。
これは「戦いに勝つには、まず相手のことを知らなくてはならない」という意味です。
この名言は現代のビジネス社会を生き抜く上でも非常に示唆に富んだものだと言われています。
そこで、「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」という名言の意味をより深く、そしてわかりやすく解説したいと想います。
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孫子とはどんな人物?
そもそも孫子とはどんな人物だったのでしょうか?
「孫子」(そんし)は、紀元前500年ごろの中国春秋時代の軍事思想家。
孫子は孫武(そんぶ)の尊称です。
孫武は若い頃から兵書に親しみ、軍事策略について研究していました。
孫武は一族内で内紛で、呉国へ逃れ、その後、「孫子」13篇を書いたと言われています。
そして、呉の王に献上したのが、「孫子の兵法」でした。
孫子の兵法とは?
孫子の兵法は武経七書(ぶけいしちしょ)の一つ。
武経七書は中国の兵法の代表的古典とされる七つの兵法書で、以下の七つを指します。
・『孫子』
・『呉子』
・『尉繚子』
・『六韜』
・『三略』
・『司馬法』
・『李衛公問対』
この中で最も著名なのが「孫子」です。
「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」という一節はこの中にあります。
故に曰く、彼を知り、己を知りて、百戦殆(あや)うからず。
彼を知らずして、己を知れば、一勝一負す。
彼を知らず己を知らざれば、戦うごとに必ず殆し。
「彼」は「敵」を指します。
現代語に訳すと、
孫子は言う。
敵の情勢を知って味方の事情も知っていれば百回戦っても危険は無い。
敵の情勢を知らないで味方の事情を知っていれば勝ったり負けたりする。
敵の情勢を知らず味方の事情も知らないのでは戦うたびに必ず危険になる。
という意味です。
戦いは「敵を知ること」とともに、「味方をよく知ること」
それが勝つための原則だという訳です。
「孫子の兵法」を解釈するうえで、重要なのは、「敵を知るだけでは勝てない」ということ。
どんなに精度の高い、価値ある敵の情報を収集することができても「己を知る」ができていない場合は「戦っても敗れる」ということです。
孫子の名言
孫子は他にも多くの名言を残しています。
善く兵を用うる者は、道を修めて法を保つ
戦いの上手な人は、人の心をひとつにまとめ、隊の規律を守らせる能力があります。
だから軍の統制ができ、勝つことができるというものです。
善く戦う者は、人に致して人に致されず
「人に致す」とは「人を自分の思うように動かす」という意味です。
戦いに勝つには自分が戦いの主導権を握り、相手に主導権を握らせないということです。
善く戦う者は、先ず勝つべからざるを為して、以て敵の勝つべきを待つ
先に敵から攻められてもいいように守りを固めなさい。そして、敵が弱みがわかり、攻めれば勝てるような状況になるのを待て、という意味です。
百戦百勝は善の善なる者に非ず
百回戦って百回勝つのが善ではない。戦わずして勝つのが最善である」という意味です。
戦いは、正を以って合し、奇策を以って勝つ
戦いは正攻法で相手と対峙し、奇策を繰り出して勝つものであるという意味です。
おわりに
いかがだったでしょうか?
孫子の兵法が現代でも色あせない理由がわかって頂けたのではないでしょうか?
孫子の兵法には、ビジネスで活かせる名言・金言がたくさんあります。
いろんな書籍も出版されているので、興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか?