刑事事件の判決で「懲役〇年、執行猶予〇年」がありますよね。

この「執行猶予」とは、刑事裁判で一定の刑罰が言い渡されても、すぐに刑の執行はされず情状により判決が確定した日から執行猶予の期間、その刑の全部の執行を猶予する制度のことです。

執行猶予が付かない判決は、実刑判決と言い、刑がそのまま執行されます。
この実刑判決に対し、執行猶予付きの判決の場合は、刑罰が確定しても刑務所に収監されることなく普通に生活を送るができるのです。

そこで、執行猶予でも前科は付くのか、執行期間中も海外旅行に行ける?就職活動に影響する?執行猶予中と執行猶予期間満了の違いなどについて調べてみました。

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執行猶予でも前科はつく?消える?

執行猶予がつくと、刑務所に収監されず社会の中で普通に生活をしながら更生することになり、執行猶予中に再犯に及ぶことがなければ、執行猶予期間終わると刑罰権が消滅します。

しかし、前科が付かないわけではありません。
そもそも「前科」とは、刑務所に入らなくとも、刑事事件の判決が有罪と確定した時点で「前科」が付きます。

なので、執行猶予付きの判決が言い渡されても「前科」として残り、執行猶予の期間が満了して、刑の言い渡しの効力が消滅しても「前科」が消えるわけではありません。

執行猶予、前科はバレる?就職活動、海外旅行は?

執行猶予や前科は、テレビや新聞等で実名が報道された場合を除いては、特に自分から言わない限りバレることはありません。

執行猶予期間が満了するまでは国家公務員などの一部の職業は、法律で就職することができませんが、就職活動は問題なくできます!

しかし、「賞罰欄」のある履歴書の提出を求められたり、面接で質問をされたら正直に答える義務があります。

執行猶予期間が終わり、刑罰権が消滅した場合は履歴書に書く必要はありませんし、質問されても答える義務はありません。

(海外で)前科のある人は入国できない!なんていうことをテレビで見たことがあります。
では執行猶予中の海外旅行はできないのでしょうか?

海外旅行が禁止されているわけではありません。

以前からパスポートを持っている人はそのまま使えますが、パスポートを申請する際、申請書に「執行猶予の処分を受けていますか?」という質問があります。正直に「はい」の欄にチェックしましょう。

場合によって入国や期限が制限されたり、パスポートが発行されない場合もありますが、嘘をついて「いいえ」にチェックすると旅券法違反で逮捕・起訴されることがあるので、正直に答えましょう。

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執行猶予中と執行猶予期間満了の違い

執行猶予付きの判決の場合は、直ちに刑が執行されず、普通に生活をすることができるといことは分かって頂けたと思います。

しかし、執行猶予期間中に罪を犯してしまい、実刑判決が確定した場合は執行猶予が取り消され、刑務所に入らなければなりません。

例えば、最初の判決が「懲役2年、執行猶予3年」だったとします。

この3年の執行猶予期間中に悪いことをして、新たに「懲役3年」の実刑判決が言い渡された場合は、先に言い渡された2年と新たに言い渡された3年、計5年間刑務所に入らなくてはいけません。

執行猶予期間中に罪を犯さず、まじめに生活をして何もなければ期間満了を迎えると刑罰権が消滅します。

まとめ

執行猶予中に「車」の運転はなるべく避けることをお勧めします。

どれだけ気をつけて運転していても事故を引き起こしてしまったとか、突然人が飛び出してきたなど、死亡事故や重傷事故を起こしてしまう可能性がないわけではありません。
その場合、執行猶予が取り消される可能性がありますので「車」を運転する際は十分に気をつけましょう。

車の運転は執行猶予中だからとかではなく、普段からルールを守り十二分に気をつけなければいけませんね。

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