ソーシャルボンド理論はもともとは犯罪心理学の用語です。
この理論は教育現場で着目されています。

なかでも、解決に役立つと考えられているのが不登校の問題。

そこで、このソーシャルボンド理論が不登校問題を解決する糸口になるのか?
わかりやすく解説したいと思います。

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ソーシャルボンド理論とは?

ソーシャルボンドとは、日本語で言えば「社会的絆」。
ボンドは接着剤。つまり、「社会とのつながり」という意味になります。

ソーシャルボンド理論はハーシというアメリカの社会学者が考案した理論です。

この理論の特徴は、
「なぜ人は犯罪を起こすのか?」
ではなく、
「人はなぜ犯罪を起こさないのか?」
という点に着目したものであるということ。

全く逆の発想から犯罪を考えようというわけです。

人が犯罪に手を染めないのは、
社会的絆(ソーシャルボンド)があるから。

その絆が壊れたときに人は犯罪的行動が起こすという考え方です。

では、具体的にみていきましょう。

ソーシャルボンド理論が提唱する4つの絆

人には社会とつながりを保つうえで4つの絆があります。

愛着(attachment)

ひとつめの絆は、身近な親しい人への愛情。

親や友人、先生など、自分が愛着を持つ相手を悲しませたくないという思い。
これが犯罪に走ることを制御しているのです。

投資(commitment)

投資は、これまで自分が築き上げてきたもののことを指します。

勉強や仕事、人間関係など。
これらを失いたくないため、悪いことはしないというわけです。

巻き込み(involvement)

「巻き込み」は自分の活動が忙しくて,犯罪など考える暇もない状態をいいます。
勉強、スポーツ、仕事などに打ち込んでいれば、悪さをしようとは思いません。

また、何かに打ち込むことで、人との積極的な関わりができて、絆も生まれます。
そうすれば、犯罪を起こすことはなくなります。

信念(belief)

道徳的な人は社会のルールや法律などに従います。
正しくあろうという信念が強いため、犯罪を起こしません。

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ソーシャルボンド理論と不登校

ソーシャルボンド理論が不登校問題に取り入れられるのは、前述の4つの絆が解決の手助けになるからです。

・愛着(友達といると楽しいと感じる)
・投資(今までの行動をムダにしたくない)
・巻き込み(部活動などに積極的に関わる)
・信念(学校には行くべきだという義務感)

これらは子どもと学校を結び付けるボンドの役割を果たしています。

ボンドがあれば、学校に行く意欲は高まるというわけです。
そしてボンドが数多くあればそれは束となり、力を発揮するのです。

まとめ

犯罪を起こす人の多くは社会から孤立しています。

そうした人たちが罪を犯さないようにするには、社会的絆がとても重要です。

こうした考えは教育現場でも応用でき、ソーシャルボンド理論を使うことで、不登校問題も解決しようという取り組みが進んでいるのです。

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