密告や告げ口することを「チクる」という言い方をしますね。
「おまえ、チクったな」とか「あいつにチクられた」など、悪い意味で使います、
語感的には、虫に「チクッ」と刺されたようなイメージがありますが、そもそも語源は何なのでしょうか?
そこで、「チクる」の語源や本来の意味について調べてみました。
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「チクる」の語源
「チクる」の語源は諸説あります。
「チク」は「口」を逆さにした
ひとつは、「チク」は「口」を逆さにしたという説です。
クチを逆さにした「チク」に「る」をつけて動詞化したのが「チクる」というわけです。
逆さにした言葉は「倒語」と呼びますが、たとえば、「ネタ」は「種(たね)」の倒語。
寿司のネタなど、もともとは食べ物などに使われていましたが、今では「話のネタ」など広く使われています。
「ちくり」「ちくちく」という擬態語
もうひとつの説は、「ちくり」「ちくちく」という擬態語から来たという説です。
先のとがった針などで刺される様子を表す言葉が「告げ口をする」という意味に使われるようになったというものです。
ちなみに、「ちくり」はもともとは「僅かな様子」を意味し、針などを刺す「ちくり」は「しくり」と表現されていました。
現代のような「チクリ」という表現は、明治以降になってからだと言われています。
「チクる」を広めたのは不良少年
「チクる」という言葉はツッパリや不良少年などの間で広まった言葉です。
当初は先生や先輩、親などに告げ口をするという意味で使われていました。
その後、当時の若者が大人になってからも使い、定着したと言われています。
現在は会社の上司、警察、報道機関などへ密告するという意味でも使われています。
「チクる」は、悪いイメージの情報を密告する場合のみに使います。
例えば、知られたくない失敗や隠し事があるとき。
その情報を本人の許可なしに他人に告げたときに「チクった」と言います。
「チクる」の類語
「チクる」の類語は、上で紹介した「密告する」「告げ口する」以外に以下のような言い方があります。
・告発する
・暴く
・バラす
・言いつける
・たれ込む
・こっそり伝える
「チクる」を英語で言うと?
「密告する」は英語で、「inform(tell) on somebody」と言いますが、同じ意味を持つ動詞には次のようなものがあります。
「snitch」
「delate」
「tip off」
おわりに
ということで、チクるの語源についてご紹介しましたが、諸説あるみたいですね。
「口」を逆さ言葉にして「チクる」、「ちくちく」という擬態語。
どちらも語源的にはありそうですが、昔からいい意味で使う言葉ではなかったことだけは確かなようです。