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朝、市場から届いた伝票を二度見してしまいました。先月まで1尾2,000円を超えていた国産うなぎの仕入れ値が、明らかに下がっているんです。冷気が漂うバックヤードで値札ラベルを打ち替えながら、私は少し複雑な気分になりました。あんなに血眼になって探していた「土用の丑の日」の喧騒が嘘のようです。

店内の売り場を見渡せば、あれほど高嶺の花だった蒲焼が、今では手に取りやすい価格で並んでいます。主婦の方が驚いた顔でパックを手に取る姿を見て、ようやく適正価格に戻ったのだなと、氷を敷き詰めた作業台の上で一人納得していました。魚の相場は生き物ですが、今回の値動きには現場の人間だからこそわかる、明確な裏事情があるんです。

この記事では、今なぜうなぎが安くなったのか、その具体的な理由と、鮮魚担当の私だから知っている「安くても失敗しない選び方・食べ方」を包み隠さずお伝えします。

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今、なぜうなぎが安くなったのか?現場の人間だけが知る価格暴落のカラクリ

シラスウナギの豊漁がもたらした供給の安定

まず最大の理由は、うなぎの稚魚である「シラスウナギ」の漁獲量が、ここ数年に比べて安定していたことです。うなぎの価格を決めるのは、1年以上前の稚魚の獲れ高。2023年末から2024年初頭にかけて、シラスウナギが一定数確保できたことで、養殖池の空きが減り、出荷量が増えたのが今のタイミングなんです。

シラスウナギは「白いダイヤ」と呼ばれるほど価格が乱高下しますが、豊漁の年は我々小売店への卸値もダイレクトに下がります。かつては1kg数百万という異常事態もありましたが、今は供給が需要に追いつき、無理な値上げをせずとも棚を埋められる状況になっています。

鮮魚担当が教える「安いうなぎ」を劇的に美味しくする裏技

付属のタレを一度お湯で洗い流す勇気

スーパーで安く売られているうなぎをそのままレンジで温めるのは、正直おすすめしません。実は、パック詰めされているうなぎに付いているタレには、保存のために添加物や増粘剤が多く含まれています。これが加熱するとネチャッとした食感になり、魚本来の香りを邪魔してしまうんです。

思い切って、食べる前に熱湯をさっとかけて、表面のタレと余分な脂を洗い流してみてください。この一見「もったいない」工程が、仕上がりを劇的に変えます。身がふっくらと戻り、泥臭さも一緒に落ちてくれるんです。洗った後はキッチンペーパーで優しく水気を拭き取るのが鉄則ですよ。

酒蒸しとグリルで「専門店」の香ばしさを再現する

タレを落としたら、フライパンにアルミホイルを敷き、うなぎをのせて料理酒を少量振りかけます。蓋をして弱火で1〜2分蒸し焼きにすることで、身の内側から水分が回り、ふんわりとした食感が蘇ります。スーパーのうなぎがゴムのように固いのは、加熱しすぎて水分が飛んでいるからなんです。

仕上げに、魚焼きグリルかトースターで皮目をパリッと焼いてください。新しいタレは、最後に塗ってサッと炙る程度で十分。これだけで、百貨店で3,000円出すのが馬鹿らしくなるほど、上品で香ばしい蒲焼が完成します。面倒に感じるかもしれませんが、安くなった分、この5分間の手間に価値があると思いませんか?

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値下がりした今こそ狙い目!失敗しないうなぎの選び方

皮が薄く、身に厚みがある個体を見極める

安くなっているからといって、適当に選んではいけません。パック越しに注目すべきは「皮の厚み」です。皮が厚すぎる個体は、成長しすぎて身が硬いか、養殖期間が長すぎて脂が回りすぎている証拠。箸が通らないほど皮が頑丈なうなぎは、どれだけ工夫して焼いても美味しくなりません。

理想は、身がこんもりと盛り上がっていて、皮の境目が目立たないもの。特に首の付け根あたりが太い個体は、脂乗りが良いことが多いです。逆に、身が薄くて平べったいものは、加熱するとさらに縮んでパサパサになってしまうので避けるのが賢明です。

国産と中国産の「本当の差」を正しく理解する

最近は中国産も非常にレベルが上がっています。以前のような「安かろう悪かろう」ではなく、日本の技術指導が入った養殖場が増えているからです。中国産が安くなったのは、単に生産コストの差。大ぶりで脂が乗った「ガッツリ系」が好きな方は、あえて中国産を選ぶのも一つの正解です。

一方、国産は身が締まっていて皮が柔らかく、上品な脂が特徴です。どちらが良いかというよりは、好みの問題。今の時期のように全体的に相場が下がっているなら、普段は手が出ないブランド産地の国産を狙うのが、最もコスパが良い買い方だと言えるでしょう。私は自分で食べるなら、この時期の少し小ぶりな国産を2枚買いますね。

安くなったうなぎを賢く買うためのQ&A

Q. なぜ「今」が一番買い時なのですか?

シラスウナギの豊漁が重なった今年は、過去数年で見ても稀に見る安値。このタイミングを逃すと、年末に向けて贈答用や正月需要で再び価格が吊り上がるのが目に見えています。冷凍保存もできるので、今のうちにストックしておくのも賢い選択ですよ。

Q. スーパーの特売品は「売れ残り」ではないですか?

特売品がすべて売れ残りというわけではありません。我々鮮魚担当は、相場が下がったタイミングで「目玉商品」として大量に仕入れ、あえて安く売ることで集客を狙うことがあります。むしろ、回転が良い店ほど新しい個体が特売にかかるので、鮮度は良いことが多いです。値札に「解凍」と書かれていても、ドリップ(赤い液)が出ていないものを選べば、味に大きな遜色はありません。

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