仮面は人類の古くからの文化遺産であり、さまざまな場面で用いられてきました。
仮面にはどのような意味があるのでしょうか。
仮面の歴史や役割もご紹介したいと思います。
Contents
仮面の起源
仮面の起源には諸説ありますが、一般的には以下のようなものが考えられます。
狩猟仮面
動物に擬装して狩りをするために用いられたという説です。
動物の皮や骨で作られた仮面は、動物の精霊と交流することで狩りの成功を祈願したとも言われます。
旧石器時代から存在したと推測されるラスコー洞窟壁画には、動物の頭をかぶった人間が描かれています。
戦争仮面
敵を威嚇し、自分の顔を隠すために用いられたという説です。
金属や木などで作られた仮面は、戦闘時に頭部を保護する防具としても機能しました。
古代エジプトやメソポタミア、アッシリアなどでは、兜や甲冑に仮面が取り付けられていました。
信仰・儀礼仮面
神や精霊や祖霊などの超自然的存在になりきるために用いられたという説です。
木や粘土や紙などで作られた仮面は、祭祀や儀式で舞踏や演劇を行う際にかぶりました。
古代エジプトではミイラに金属製の仮面をかぶせて供養しました。
日本では能や狂言などで能面が使われました。
仮面の分類
仮面はその形状や素材、用途や機能などによってさまざまに分類されますが、ここでは代表的なものを紹介します。
全頭型
頭全体を覆うタイプの仮面です。
顔だけでなく髪や耳なども含めて造形されます。視界や呼吸が制限されることもありますが、より強い変身効果が得られます。
例としてはアフリカのマスクやヨーロッパのカーニバル用マスクなどがあります。
半頭型
顔全体または上半分を覆うタイプの仮面です。
目・鼻・口などに穴が開いていることが多く、視界や呼吸は比較的楽です。
しかし、変身効果は全頭型よりも弱くなります。例としては日本の能面やヨーロッパのドミノマスクなどがあります。
部分型
顔の一部分だけを覆うタイプの仮面です。
目・鼻・口・耳などの特定の部位に着用します。
視界や呼吸はほとんど制限されませんが、変身効果は半頭型よりもさらに弱くなります。
例としては日本の狂言面やヨーロッパのヴォルトマスクなどがあります。
仮面の機能と役割
仮面はその用途や目的によってさまざまな機能と役割を果たしますが、ここでは主なものを紹介します。
変身・化身
仮面をかぶることで自分の素性や人格を隠し、別の存在になりきることができます。
これは仮面が持つ最も基本的な機能です。
仮面をかぶることで、神や精霊や動物などに変身したり、自分とは異なる性別や年齢や職業などに化身したりできます。
これによって、自分の能力や立場を超えた体験ができたり、自分の欲望や願望を表現したりできます。
交流・コミュニケーション
仮面をかぶることで自分と自分以外のものとの間に交流やコミュニケーションが生まれます。
これは仮面が持つ重要な機能です。
仮面をかぶることで、自分と同じ仮面をかぶった者同士や、自分と異なる仮面をかぶった者同士が互いに認識したり、対話したりできます。
また、仮面をかぶることで、自分と超自然的存在や死者などの霊的存在との間に交流やコミュニケーションが生まれます。これによって、自分と他者や自分と世界との関係性が変化したり、深まったりします。
表現・芸術
仮面をかぶることで自分の感情や思想や美意識などを表現したり、芸術的な作品を創造したりできます。
これは仮面が持つ創造的な機能です。
仮面をかぶることで、自分の内面や個性や感性などを外部化したり、具現化したりできます。
また、仮面をかぶることで、物語や演劇や舞踏などの芸術的な作品を創造したり、演出したりできます。
これによって、自分の表現力や芸術性が高まったり、発展したりします。
仮面の文化と芸術
仮面は世界各地の文化や芸術において多様な表現を見せています。
ここでは代表的なものを紹介します。
アフリカ
アフリカでは多くの民族が仮面を用いて祭祀や儀式を行っています。
仮面は神や精霊や祖霊などの霊的存在を象徴し、着用者はそれらに憑依されて舞踏します。
仮面は木製が多く、動物や人間や幾何学模様などが彫られています。
色彩も豊かで、赤・白・黒などが象徴的に使われています。
ヨーロッパ
ヨーロッパでは中世からルネサンス期にかけて、仮面劇やカーニバルなどで仮面が盛んに使われました。
仮面は社会的な身分や役割を隠し、自由な行動や表現を可能にしました。
仮面は金属や革や紙などで作られ、人間や動物や道化師などが描かれています。
色彩も多彩で、赤・青・緑・黄などが使われています。
アジア
アジアでは古代から現代に至るまで、仮面は宗教や芸術や娯楽などで幅広く用いられています。
仮面は神や仏や鬼などの霊的存在を表現し、着用者はそれらに扮して舞踏や演劇を行います。
仮面は木製が多く、人間や動物や植物などが彫られています。
色彩も豊富で、白・黒・赤・金などが使われています。
仮面の意味と歴史まとめ
以上、仮面の意味と歴史についてご紹介しました。
さまざまな場面で用いられてきた仮面は人類の古くからの文化遺産です。
仮面は知れば知るほど奥が深いですね。
