「死ぬ」も「亡くなる」も意味は「命がなくなる」こと。
では、違いは何でしょうか?
あなたはきちんと答えられますか?
この記事では、「死ぬ」と「亡くなる」の違いと使い分け方、さらに語源についてもわかりやすく解説したいと思います。
Contents
「死ぬ」と「亡くなる」の違いは?
「亡くなる」という言葉は、「死ぬ」の美化語と言われています。
「死ぬ」と「亡くなる」は、使う対象にも違いがあります。
「死ぬ」と「亡くなる」の使い分け方
「亡くなる」は「人」に対して使う表現で、「動物」に対しては原則的に使われません。
このため、ニュースなどでは動物に対して「亡くなった」という表現は使わないのが原則です。
ちなみに、NHKでは動物には「死ぬ」を使うのが原則のようです。
・出典元 ことばのはなし
しかし、これはあくまでも原則です。
動物とはいえ、動物園などで人気がある動物の場合「○○が死にました」というのは、冷たくて生々しい感じを与えるため、おかしいという人もいるようです。
だからといって「○○が亡くなりました」では、人が亡くなったみたいで違和感がありますね。
こういう場合は、ニュースを伝える側も頭を悩ませるようで、「○○が息を引き取りました」という表現が使われたりするようです。
では、「死ぬ」と「亡くなる」を合わせた「死亡」という言葉には使い方に決まりがあるのでしょうか?
「死亡」の使い分け方
「死亡」という言葉を辞書で調べてみると、以下のように書かれています。
広辞苑では、
「し‐ぼう【死亡】人が死ぬこと。死没」
・出典元 広辞苑
デジタル大辞泉では、
「人が死ぬこと。死去」
・出典元 デジタル大辞泉
注目して欲しいのは、いずれも「人が」という但し書きが付いていること。
このことから動物に対しては「死亡」は使わないのが正しい用法です。
ところで、「死」という漢字はどんな成り立ちで誕生したのでしょうか?
「死」という漢字の語源
「死」という漢字は「白骨」と「ひざまずく人」の形を表しています。
白骨は「歹」で、「匕」は人。
ここから、「しぬ」を意味する「死」という漢字が誕生したと言われています。
ちなみに、「歹+匕」のように2文字以上の漢字の形を組み合わせものを会意文字と言います。
「亡」という漢字の語源
「亡」は手足を折り曲げている死者の骨の形を表したの古代の象形文字です。
ここから「しぬ」という意味になったと言われています。
象形文字とは、物の形から誕生した漢字のことを言います。
ちなみに、「亡」の旧字は「兦」です。
「死ぬ」「亡くなる」の類似表現
「死ぬ」「亡くなる」を別の表現で表すと、どんな言い方があるのか?
・「息を引き取りました」
・「この世を去りました」
・「天寿をまっとうしました」
・「天国へ旅立ちました」
・「他界しました」
「死ぬ」と「亡くなる」の違いのまとめ
ということで、「死ぬ」と「亡くなる」の違いと使い分け方、さらに語源について解説しました。
結論としては、
・「死ぬ」の美化語が「亡くなる」
・「亡くなる」は動物には使わない
・「死」「亡」は人の骨を意味する
ぜひこの機会に覚えておいてください。