京都の花街で働く舞妓さん。
その名の通り、美しい舞いを披露してくれます。
そんな舞妓さんたちの踊りを「おどり」ではなく、「をどり」と表記することがあります。
普通に考えれば、「おどり」が正しいと思うのですが、なぜ「お」ではなく「を」使って「をどり」と言うのでしょうか?
実は、これには理由があります。
「おどり」と「をどり」 の違い
「おどり」と「をどり」の違いは、現代仮名遣いと旧仮名遣いです。
おどり→現代仮名遣い
をどり→旧仮名遣い
京都は歴史を重んじる土地柄のため、「をどり」と表記しているというのが、有力な説です。
ちなみに、有名な「祇園」の置屋の中にも、屋号を「ぎおん」ではなく、「ぎをん」と表記している看板をよく見かけます。
有名な京都えびす神社も「えびす」ではなく、「ゑびす」とも書かれています。
「をどり」と表記する理由
今でも「をどり」と表記しているのは、歴史や伝統を重んじているというのが有力ですが、別の説もあります。
ひらがなの「お」は、50音の5番目ですが、「を」は、50音の最後50番目(「ん」は50音に含まない)です。
芸事は常に上を目指して稽古に精進することが求められるため、謙虚であるべきという考え方から、上にある「お」ではなく、下にある「を」を用いているというのです。
「おどり」と「をどり」 花街ではどちらを使う?
京都には5大花街があり、それぞれ踊りが開催されますが、以下のように表記されます。
・先斗町→鴨川をどり(春)
・祇園甲部→都をどり(春)
・上七軒→北野をどり(春)
・宮川町→京おどり(春)
・祇園東→祇園をどり(秋)
宮川町だけは京おどり表記されますが、残りの4つは「をどり」となっています。
京都では、昔の風習を重んじるという意味で、「をどり」を使いますが、宮川町だけは現代の人に親しみを持って欲しいという考えから現代仮名遣いの「おどり」と表記しているそうです。
「おどり」と「をどり」 違いのまとめ
京都で「おどり」を「をどり」と表記するのは、歴史や伝統を重んじているからのようです。
謙虚な気持ちを表すために「お」より下につく「を」を使うというのも納得できる説です。
古き良き風習の残る京都。
「おどり」よりは「をどり」の方がしっくりきますね。