オリンピックなどスポーツの国際大会で、「○○の国と地域が参加」という言い方がされます。
たとえば、台湾。国ですか?それとも地域ですか?
正解は「地域」です。
日本は1972年の日中共同声明で、「台湾」を「中国」の一部としており、「独立国ではない」としているからです。
では、北朝鮮は?
実は「地域」なんです。
えっ、国でしょ?と思う人は多いのではないでしょうか?
そこで、意外と知られていない「国と地域の違い」について解説したいと思います。
そもそも国とは?定義はあるの?
そもそも国とは何なのか?どんな定義があるのか?
あなたは答えられますか?
国と認められるには3つの定義を満たす必要があります。
①国土②国民③法律を持つこと。
かつては、これに加えて「通貨」も国を定義する要素とされてきました。
しかし、EUのようにユーロという共通通貨が誕生したことで必要な要件とはされなくなりました。
では、北朝鮮はどうでしょう?
国土も国民も法律もあり、3つの定義を満たしています。
なのに、なぜ国じゃなくて「地域」なのか?
実は、北朝鮮を国と認めている国はあります。
たとえば、中国から見て北朝鮮は国です。
しかし、日本から見ると地域です。
国交がないと国とは認められない
国を構成する3つの定義を満たしていても、国が国であると承認しなければ国とは認められません。
もっとわかりやすく言えば、国交がない国は国じゃないということです。
日本と北朝鮮は国交がないので、「地域」なのです。
また、アメリカも北朝鮮は韓国の一部であるべき地域だとして、国としては承認していません。
しかし、その一方で、世界には北朝鮮と国交を結んでいる国は160以上あります。
これらの国々は北朝鮮を国家として承認しているため、「国」なのです。
これとは逆に、コソボは日本など50数カ国が国家として承認していますが、世界の過半数の国々は、セルビアの一部だとして、国ではなく地域とされています。
このように、国によって、国と地域の数は異なるのです。
日本から見た世界の国と地域の数は?
日本の外務省によれば、現在の世界の国の数は196カ国(日本を含む)です。
これは日本が国として承認している数です。
一方、日本は以下を地域としています。
・北朝鮮
・台湾
・パレスチナ
・香港
・マカオ
・北極
・南極
香港とマカオが地域の理由
国家としての要件を備えていても、「国家」となる意思がない場合、「地域」と呼ばれます。
その代表例が香港とマカオです。
香港とマカオはいずれも中国に返還されましたが、「一国二制度」という形がとられています。
香港とマカオは高度な自治権を持ち、ほぼ独立した権限を持つ特区政府があります。
そのため、中国本土とは別扱いされますが、それでも国ではなく地域なのです。
おわりに
ということで、「国と地域」の違いについて、ご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
北朝鮮は日本から見れば、国ではなく地域というのを知らなかった人は多かったのでは?
国交のない国は国ではなく地域。
こう覚えておけば、国と地域の違いがわかります。
ぜひ豆知識として覚えておいてください。