
「4月に就職した子どもは扶養親族から外す必要がある?」
「途中まで扶養していた場合、扶養控除は月割りで受けられる?」
年末調整の時期になると、家族の就職によって扶養親族の扱いが変わった人は、申告方法に迷うことがあるのではないでしょうか。
特に2026年は、所得税の扶養控除や特定親族特別控除など、前年からの税制改正も踏まえて確認する必要があります。
結論からいうと、2026年の途中で扶養親族が就職した場合でも、必ず扶養控除の対象から外れるわけではありません。
重要なのは、就職した時期ではなく、その年の12月31日時点の状況と、1年間の所得金額です。
この記事では、2026年の年末調整で扶養親族が途中で就職した場合の扱いや、扶養控除の所得要件、申告書の書き方、注意点についてわかりやすく解説します。
2026年の途中で扶養親族が就職したら扶養控除はどうなる?
扶養親族が年の途中で就職した場合、年末調整では、その人の2026年1月1日から12月31日までの所得を確認します。
例えば、子どもが2026年4月に就職した場合、1月から3月までのアルバイト収入と、4月から12月までの会社の給与収入を合計して判断します。
2026年の所得税では、扶養親族の合計所得金額の要件が62万円以下に引き上げられました。
給与収入だけの場合、年収136万円以下が目安になります。
| 2026年の年間給与収入 | 扶養控除の判定 |
|---|---|
| 100万円 | 所得要件を満たす |
| 120万円 | 所得要件を満たす |
| 136万円 | 所得要件を満たす |
| 150万円 | 原則として扶養控除の対象外 |
| 200万円 | 原則として扶養控除の対象外 |
※給与収入のみで、ほかの扶養控除の要件も満たす場合の例です。19歳以上23歳未満の親族には、別途「特定親族特別控除」が適用される場合があります。
つまり、就職したという事実だけで扶養控除から外れるのではなく、年間の所得を確認する必要があるのです。
【2026年最新】扶養控除の年収基準は136万円に変更!
2026年の年末調整では、前年までの年収基準をそのまま使わないように注意しましょう。
2026年度税制改正により、扶養親族の所得要件が変更されています。
給与収入だけの場合の扶養親族の所得要件
2025年
123万円
合計所得58万円以下
2026年
136万円
合計所得62万円以下
2026年は給与所得控除の最低保障額も74万円に引き上げられたため、給与収入のみの場合の扶養判定基準が変わりました。
出典:国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」
ただし、年収136万円以下なら誰でも扶養控除を受けられるわけではありません。
扶養控除には年齢や生計を一にしていることなどの要件があります。
また、この136万円という基準は、所得税の扶養控除に関するものです。社会保険の扶養判定とは異なります。
子どもが4月に就職した場合の年末調整を具体例で解説
ここでは、大学を卒業した子どもが2026年4月に就職したケースを考えてみましょう。
ケース① 4月に正社員として就職し、年収が250万円になった
例えば、次のようなケースです。
-
1月~3月:アルバイト収入15万円
-
4月~12月:会社からの給与235万円
-
年間給与収入:250万円
この場合、年間給与収入が136万円を超えているため、原則として親の扶養控除の対象にはなりません。
19歳以上23歳未満であっても、特定親族特別控除の所得要件を超えるため、親はその控除も受けられません。
ケース② 途中で就職したが年収が120万円だった
例えば、次のようなケースです。
-
1月~3月:アルバイト収入20万円
-
4月~12月:給与収入100万円
-
年間給与収入:120万円
この場合、給与収入だけであれば所得要件を満たします。
年齢や生計要件なども満たしていれば、親は扶養控除を受けられる可能性があります。
ケース③ 21歳の大学生が途中で就職して年収160万円になった
19歳以上23歳未満の子どもについては、扶養控除の対象から外れても、特定親族特別控除を受けられる場合があります。
2026年は、給与収入だけの場合、年収136万円超197万円以下の範囲で特定親族特別控除の対象になる可能性があります。
例えば、21歳の子どもの年間給与収入が160万円なら、ほかの要件を満たす場合、親は63万円の特定親族特別控除を受けられます。
このように、扶養控除の対象から外れた場合でも、年齢や所得によっては別の控除が適用されることがあります。
扶養控除は就職するまでの期間だけ月割りで受けられる?
扶養控除について、よくある疑問が「途中まで扶養していた期間の分だけ控除できるのか」というものです。
例えば、子どもが3月まで学生で、4月から就職した場合です。
「1月から3月までの3か月分は扶養控除を受けられるのでは?」と思う人もいるでしょう。
しかし、所得税の扶養控除は原則として月割り計算されません。
年末調整では、年末時点の状況や年間の所得金額などによって、扶養控除を受けられるかどうかを判定します。
そのため、3か月間扶養していたからといって、扶養控除額の4分の1を受けられるわけではありません。
2026年の扶養控除はいくら?
扶養控除の金額は、扶養親族の年齢や区分によって異なります。
| 扶養親族の区分 | 所得税の扶養控除額 |
|---|---|
| 一般の控除対象扶養親族(16歳以上) | 38万円 |
| 特定扶養親族(19歳以上23歳未満) | 63万円 |
| 老人扶養親族(70歳以上) | 48万円 |
| 同居老親等(70歳以上) | 58万円 |
※年齢は原則として2026年12月31日時点で判定します。一般の控除対象扶養親族には、特定扶養親族や老人扶養親族を除く16歳以上の親族が該当します。
なお、上記の金額は税金がそのまま減る金額ではありません。
例えば、扶養控除38万円の場合、課税対象となる所得から38万円を差し引く仕組みです。
実際に減る所得税額は、適用される税率などによって異なります。
年末調整の扶養控除等申告書はどう書く?
扶養親族が途中で就職し、扶養控除の対象から外れる場合は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の内容を見直す必要があります。
国税庁では、扶養親族の就職などによって申告内容に異動があった場合、その都度、異動申告書を提出するよう案内しています。
扶養控除の対象から外れる場合
例えば、子どもが就職して年間給与収入が250万円になる見込みの場合です。
この場合は、勤務先に扶養状況が変わったことを伝え、申告内容を訂正します。
勤務先によって、紙の申告書に記入する場合と、年末調整システムで変更する場合があります。
具体的な訂正方法は勤務先の担当者に確認しましょう。
引き続き扶養控除の対象になる場合
子どもが就職していても、年間所得が要件を満たす場合は、引き続き扶養控除の対象となる可能性があります。
年末調整の際には、子どもの年間所得の見積額を確認し、正しい内容で申告しましょう。
特定親族特別控除の対象になる場合
19歳以上23歳未満の子どもが就職し、扶養控除の所得要件を超えた場合でも、特定親族特別控除の対象になることがあります。
その場合は、勤務先に提出する「給与所得者の特定親族特別控除申告書」などに必要事項を記入します。
2026年分の申告書は、国税庁の公式サイトから確認できます。
扶養親族が就職したことを会社に報告しなかったらどうなる?
扶養親族が就職して収入が増えたにもかかわらず、勤務先に報告していない場合、毎月の源泉徴収税額が正しく計算されていない可能性があります。
その結果、年末調整で不足分の所得税が徴収されることがあります。
また、年末調整後に扶養控除の適用誤りが判明した場合は、年末調整の再計算や確定申告などによる訂正が必要になることがあります。
扶養親族の就職や収入の変化がわかった時点で、勤務先に早めに報告しましょう。
税金の扶養と社会保険の扶養は違うので注意!
扶養親族が途中で就職した場合、所得税だけでなく、社会保険の扶養にも注意が必要です。
税金の扶養と社会保険の扶養は、別の制度です。
| 比較項目 | 所得税の扶養 | 社会保険の扶養 |
|---|---|---|
| 主な判断基準 | 年間の合計所得金額 | 収入見込みや勤務状況など |
| 判定時期 | 原則として年末の状況など | 扶養の条件が変わった時点 |
| 途中で就職した場合 | 年間所得で控除を判定 | 就職先で社会保険に加入する場合などは扶養から外れる |
| 手続き先 | 親の勤務先など | 加入している健康保険の保険者など |
例えば、子どもが4月に就職して勤務先の健康保険に加入した場合、親の健康保険の扶養から外れる手続きが必要になります。
所得税の扶養控除が受けられるかどうかとは、別に確認しましょう。
年末調整2026で扶養親族が途中で就職した場合のよくある質問
Q. 子どもが4月に就職したら、必ず扶養から外れますか?
いいえ。所得税の扶養控除については、就職したという理由だけで自動的に対象外になるわけではありません。
2026年の年間合計所得金額や年齢、生計要件などによって判断します。
Q. 2026年の扶養控除は年収103万円までですか?
いいえ。
2026年分の所得税では、扶養親族の合計所得金額の要件が62万円以下に変更されています。
給与収入だけの場合、年収136万円以下が目安です。
Q. 子どもが就職した場合、親の年末調整で源泉徴収票は必要ですか?
子どもの年間給与収入を正確に確認するために、源泉徴収票や給与明細などが役立ちます。
ただし、親の扶養控除の申告に、子どもの源泉徴収票の添付が一律に義務付けられているわけではありません。
勤務先から確認資料を求められた場合は、その案内に従いましょう。
Q. 子どもが12月に就職した場合はどうなりますか?
12月に就職した場合も、2026年1月から12月までの所得を合計して判定します。
例えば、年間給与収入が136万円以下で、ほかの要件も満たしていれば、扶養控除の対象になる可能性があります。
Q. 扶養親族が途中で就職した場合、住民税も変わりますか?
変わる可能性があります。
ただし、住民税の扶養親族の所得要件は、所得税と必ずしも同じではありません。
2026年分の所得税の年収136万円という基準を、そのまま住民税の扶養判定に使わないように注意しましょう。
まとめ|2026年の年末調整は扶養親族の年間所得を確認しよう
2026年の途中で扶養親族が就職した場合でも、必ず扶養控除の対象から外れるわけではありません。
今回のポイントをまとめます。
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扶養親族が就職したかどうかだけでは決まらない
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2026年の扶養親族の所得要件は合計所得62万円以下
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給与収入だけなら年収136万円以下が目安
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扶養控除は就職前の期間だけ月割りで受けることはできない
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19歳以上23歳未満の子どもは特定親族特別控除も確認する
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扶養状況が変わった場合は勤務先に報告する
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税金と社会保険の扶養は別々に判断する
特に、2026年は税制改正によって扶養親族の所得要件が変更されているため、前年の基準で判断しないことが大切です。
子どもが途中で就職した場合は、1年間の給与収入を確認し、年末調整で正しく申告しましょう。
参考資料
※この記事は2026年10月時点の国税庁公表資料に基づく一般的な解説です。個別の扶養控除の適用については、勤務先の年末調整担当者や税務署などにご確認ください。






