※当記事はプロモーションを含むことがあります。

ニュースや為替の記事で「円キャリートレード」という言葉を目にすることがあります。

「円キャリートレードとは何?」
「なぜ円安につながるの?」
「巻き戻しが起こると、なぜ円高になる?」

このように疑問に思っている人も多いでしょう。

円キャリートレードとは、簡単にいうと金利の低い円で資金を調達し、より高い収益が期待できる海外の通貨や金融商品などで運用する取引です。

日本と海外の金利差が大きくなると活発になりやすく、反対に金利差が縮小すると「巻き戻し」が起こることがあります。

この記事では、円キャリートレードの仕組みや円安・円高との関係を初心者向けにわかりやすく解説します。

スポンサーリンク

円キャリートレードとは?

円キャリートレードとは、低金利の円で資金を調達し、その資金を金利の高い国の通貨や債券などに投資する取引です。

「キャリー(carry)」には、金利差などから得られる収益という意味があります。

たとえば、日本の金利が低く、アメリカの金利が高いとします。

低い金利で円を調達してドルに交換し、ドル建ての資産で運用すれば、金利差による収益を期待できます。

非常に単純化すると、

低金利の円で資金調達
↓
円を売って外貨を買う
↓
金利の高い国の資産などで運用
↓
金利差などから利益を狙う

という仕組みです。

円キャリートレードを具体例でわかりやすく解説

仮に、日本の金利が1%、アメリカの金利が5%だったとしましょう。

日本円で低金利の資金を調達し、それをドルに交換して、5%程度の利回りが期待できる資産で運用したとします。

単純計算では、

5%-1%=4%

という金利差があります。

実際には取引コストや為替変動などがあるため、単純に4%の利益が出るわけではありません。

それでも、日本と海外の金利差が大きいほど、円を調達して海外で運用する取引が魅力的になりやすいのです。

スポンサーリンク

なぜ「円」がキャリートレードに使われる?

円がキャリートレードに利用されてきた大きな理由の一つが、日本の金利が長期間にわたって低い水準にあったことです。

資金を借りる側からすると、できるだけ低い金利で調達したいと考えます。

一方、運用するなら、できるだけ高い収益が期待できる資産を選びたいところです。

そのため、

低金利の円で調達 → 高金利の海外資産で運用

という取引が行われやすくなります。

円キャリートレードはなぜ円安につながる?

円キャリートレードが拡大すると、一般的には円安要因になります。

理由は、海外で運用するために円を売ってドルなどの外貨を買う必要があるからです。

たとえば、多くの投資家が、

「円を売る → ドルを買う」

という取引を行えば、円を売る動きが強くなります。

その結果、円の価値が下がり、円安につながる可能性があります。

つまり、

円キャリートレード拡大
↓
円を売る
↓
ドルなどの外貨を買う
↓
円売りが増える
↓
円安要因になる

という流れです。

「円キャリートレードの巻き戻し」とは?

ニュースでよく登場するのが「円キャリートレードの巻き戻し」という言葉です。

これは、これまで行っていた円キャリートレードを投資家が解消する動きを指します。

たとえば、円を売ってドルを買っていた投資家が取引を終了する場合、

ドルを売って円を買い戻す

必要があります。

多くの投資家が一斉に同じ行動を取ると、円買いが急増することがあります。

その結果、短期間で急激な円高が進む可能性があります。

なぜ円キャリートレードの巻き戻しが起こる?

代表的なきっかけが、日本と海外の金利差の縮小です。

たとえば、日本が利上げする一方でアメリカが利下げしたとしましょう。

すると日米金利差が縮小します。

これまで「低金利の円で調達して、高金利のドルで運用する」というメリットが大きかったものの、金利差が小さくなれば、そのメリットも低下します。

そのため投資家が、

「そろそろ円キャリートレードをやめよう」

と判断する可能性があります。

そのほか、金融市場が不安定になった場合や、円高が急速に進み始めた場合などにも、ポジションを解消する動きが強まることがあります。

日銀の利上げで円キャリートレードはどうなる?

日銀の利上げは、円キャリートレードにとって重要な材料です。

日本の金利が上昇すると、円で資金を調達するコストが高くなるからです。

さらに、日銀が利上げする一方でアメリカなどが利下げすれば、金利差が縮小します。

すると円キャリートレードの魅力が低下し、取引を解消する動きが出る可能性があります。

その場合、

日銀が利上げ
↓
日本の金利が上昇
↓
海外との金利差が縮小
↓
円キャリートレードの魅力が低下
↓
海外資産などを売却
↓
円を買い戻す
↓
円高要因になる

という流れが考えられます。

アメリカの利下げも巻き戻しの要因になる

円キャリートレードを考える場合、日本の金融政策だけを見ればいいわけではありません。

アメリカの中央銀行であるFRBなど、海外の中央銀行の金融政策も重要です。

日本の金利が変わらなくても、アメリカが利下げすれば日米金利差は縮小します。

その結果、ドルで運用するメリットが小さくなり、円キャリートレードを解消する動きにつながる可能性があります。

そのため為替市場では、

「日銀は利上げするのか」

だけでなく、

「FRBは利下げするのか」

も大きな注目材料になります。

円キャリートレードなら必ず儲かる?

円キャリートレードには大きなリスクもあります。

特に注意したいのが為替変動リスクです。

金利差で利益が得られていても、為替相場が大きく動けば、それ以上の損失が発生する可能性があります。

たとえば円を売ってドルを買った後、急激な円高・ドル安になった場合です。

ドルを円に戻す際の為替差損によって、金利差から得た利益が吹き飛んでしまうことがあります。

また、市場が急変すると多くの投資家が同時にポジションを解消し、円高がさらに加速する場合があります。

円キャリートレードと円相場の関係

関係を簡単に整理すると、次のようになります。

状況 円キャリートレード 円相場への一般的な影響
日本の金利が低い 拡大しやすい 円安要因
海外の金利が高い 拡大しやすい 円安要因
日米金利差が拡大 拡大しやすい 円安要因
日本が利上げ 縮小しやすい 円高要因
アメリカが利下げ 縮小しやすい 円高要因
日米金利差が縮小 巻き戻しが起こりやすくなる 円高要因

ただし、為替相場は金利だけで決まるわけではありません。

景気、物価、株価、金融政策への市場予想、地政学リスクなど、さまざまな要因が影響します。

円キャリートレードを超簡単にいうと?

難しく感じる場合は、

「安い金利で円を借りて、高い金利が期待できる海外で運用する取引」

と覚えておけばよいでしょう。

そして、為替との関係は、

円キャリートレードが増える → 円売り → 円安要因

反対に、

円キャリートレードを解消する → 円買い戻し → 円高要因

と覚えると理解しやすくなります。

まとめ|円キャリートレードとは低金利の円を利用した取引

円キャリートレードとは、金利の低い円で資金を調達し、より高い収益が期待できる海外の通貨や金融商品などで運用する取引です。

日本と海外の金利差が大きいと円キャリートレードが活発になりやすく、円売りが増えることで円安要因になることがあります。

反対に、日本の利上げやアメリカの利下げなどによって金利差が縮小すると、円キャリートレードの魅力が低下します。

その結果、取引を解消する「巻き戻し」が起き、円を買い戻す動きが強まれば円高につながる可能性があります。

ニュースで「日銀の利上げ」「米国の利下げ」「日米金利差」「円キャリートレードの巻き戻し」という言葉が出てきたら、それぞれを別々に見るのではなく、金利差と円の売買がどう変化するのかをセットで考えると理解しやすくなるでしょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
おすすめの記事