暮らしている地域には、必ず自治会や町内会があります。
大半の人が加入していると思いますが、意外と面倒です。
当番が回ってくると、会費の集金、回覧板の受け渡し、ゴミ置き場の掃除などをこなさなければなりません。
マンションであれば、管理組合があり、こうした雑務は管理会社に委託できますが、戸建ての場合はそうは行きません。
では、一戸建てに住む人が自治会や町内会に入らないとどんなデメリットがあるのでしょうか?
法律面も含めて調べてみました。
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自治会や町内会へ加入しないと法律違反?
自治会や町内会の入会・退会は自由です。
法律的に見ても、入会が強制される団体(強制加入団体)ではありません。
判例でも、「会員相互の親ぼくを図ること、快適な環境の維持管理及び共同の利害に対処すること、会員相互の福祉・助け合いを行うことを目的として設立された権利能力のない任意団体」とされています。
したがって、自治会や町内会に加入したくない人は入らなくてもいいのです。
しかし、デメリットもあります。
自治会や町内会に入らないデメリット
自治会や町内会は任意団体である入らなくても法律的には何も問題はありません。
ですが、入会しない場合、基本的には、自治会や町内会の活動による利益を享受することはできません。そのため、デメリットが生じる場合もあります。
ゴミ置き場を利用できないことがある
地域にはゴミ集積所があり、その多くは自治体や町内会が管理しています。
掃除当番を持ち回りで担当したり、カラス対策のネットを購入したり、会員の協力で成り立っています。
そのため、非会員の人が利用しようとすると、断られることがあります。
こうした制限をすることは必ずしも不当な取り扱いとは言えず、非会員だと地域の集積所にゴミを捨てられなくなります。
その場合は、を市町村の担当窓口に相談して、「戸別収集」を依頼することになります。
家庭ゴミは、廃棄物処理法の「一般廃棄物」(2条2項)に該当するため、市町村が収集・運搬・処分する義務を負うため、ゴミを収集に来てもらうことは可能です。
(※ただし、いろいろと面倒ですが)
自治会・町内会主催の行事に参加しづらい
自治会や町内会では、子ども会やお祭りなど、地域イベントを行っています。
加入していない人が参加すると、周囲から冷たい目で見られることがあります。
大人はいいかもしれませんが、地域行事は、学校以外で子ども同士が交流する場なので、子どもの教育上はデメリットになる可能性があります。
災害時に困る可能性がある
災害が起きたときに頼りになるのが隣近所の人たちです。
町内会での助け合いというのは大きな活動となります。
また、自治会が物資の供給や避難場所確保を行うこともあります。
しかし、加入していないと、こうした支援を受けづらくなります。
戸建てに住んでいる人の町内会加入率は8割
町内会や自治会に加入している人の割合はどれくらいなのか?
SUUMOの調査によると、加入率は82.8%。
町内会や自治体に入っている人の加入理由は以下のようになっています。
・「入るのが当たり前だと思ったから」(67.4%)
・「拒否できなかったから」(27.5%)
・「親の世代から入っているから」(14.5%)
・「祭りや子ども会など、イベントに参加したいから」(9.1%)
・「メリットがあると思ったから」(8.8%)
積極的に加入したという人は圧倒的に少ないようです。
一方、「町内会や自治会に入っていない」と回答した人の理由は以下の通り。
・「集まりに参加するのが面倒だから」(25.4%)
・「あまりメリットを感じないから」(18.6%)
・「入らなくてもご近所付き合いに問題がないから」(18.6%)
・「役員などを引き受けたくないから」(15.3%)
・「会費を払いたくないから」(13.6%)
おわりに
ということで、自治会や町内会に入らないことのデメリットについて紹介しました。
こうしてみると、ゴミの問題はやはり大きいですね。
地域のゴミ捨て場を利用できないとなると、やはり支障が出ますからね。
あとは近所づきあいの問題ですが、親はいいとしても子どものことを考えると、デメリットがありそうです。
今は共働きの人が多数を占めていますから、町内会の仕事は引き受けられないという人も多いと思います。
自治会・町内会への加入は、今回紹介したデメリットもよく考えたうえで、検討してみてはいかがでしょうか。