近年、日本各地で頻発する集中豪雨。
その原因としてよく聞くようになったのが線状降水帯という言葉です。
線状降水帯とは何なのか?なぜ発生するのか?
わかりやすく解説したいと思います。
線状降水帯とは?
線状降水帯は、「次々と発生する発達した雨雲が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される雨域」のことです。
激しい雨を降らせる積乱雲が長時間にわたって帯状に列をなしている状態を言います。
・画像引用元:気象庁ホームページ
線状降水帯 長さはどのくらい?
線状降水帯は長さ50~300km程度、幅20~50km程度に及びます。
広範囲にわたって豪雨になるため、大きな災害となります。
線状降水帯はなぜ起きる?
線状降水帯の発生メカニズムはよくわかっていませんが、以下のような条件下で起こりやすいとされています。
・雲の元になる暖かく湿った空気が地表近くに継続して流れ込む
・その空気が前線などの影響で上昇し、次々と積乱雲を発生させる
・発生した積乱雲が風で一方向に流され、新たな雲がどんどん補充される
近年とみに豪雨が増えているのは、地球温暖化が原因で、線状降水帯が発生しやすくなっているのではないかという専門家の指摘もあります。
線状降水帯という言葉はいつから?
気象庁では線状降水帯についての予報を2021年から発表していますが、注目されるようになったのは、2014年に起きた広島県での豪雨災害だと言われています。
ちなみに、気象庁の予報通り、線状降水帯が発生する確率は4回に1回。
大雨になる確率はおよそ6割だと言われています。
線状降水帯が発生しやすい場所は?
線状降水帯は九州北部、山口、広島、四国南部など西日本ほど発生しやすい傾向があります。
しかし、大気の状態が線状降水帯の条件を満たせば、場所を問わず発生します。
関東でも線状降水帯の発生による被害は出ており、2015年の豪雨災害では鬼怒川が決壊しています。
線状降水帯のまとめ
地球温暖化の影響か、近年豪雨災害が増えています。
線状降水帯は長時間にわたって広い範囲で豪雨をもたらすため、警戒が必要です。
発生メカニズムに未解明な点も多いため、今後も継続的な研究が進むことが望まれます。