花言葉とは、花に意味を持たせる言葉のことですが、その由来や起源についてご存知でしょうか。
この記事では、花言葉がどこから生まれたのか、どのように広まったのか、どのように変化してきたのか、詳しくご紹介します。これを参考にして、花言葉の世界に触れてみてください。
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花言葉の起源
花言葉の起源は、古代ペルシャにさかのぼるとされています。
ペルシャ人は、文字通り花に言葉を与え、それを詩に使っていました。
また、花の匂いや色を利用して、恋愛の表現にも使われていました。
その後、花言葉はスペインで広がり、スペイン王妃がフランスに送った古い言葉が始まりだとされています。
花言葉がトルコからヨーロッパに伝わったのは18世紀前半ですが、大ブームになったのは19世紀になってからのことです。
その起源については不明な点が多いですが、一番有力なのは、トルコのセラムという習慣に由来するという説です。
セラムとは、花や果物や絹糸などの小物に意味を持たせて、気持ちや言葉を伝える表現方法です。
やがて、フランスの貴族社会で流行し、花に恋愛に関する意味が込められるようになりました。
このトルコの習慣がヨーロッパに紹介されたのは、二人の人物によります。
一人は、イギリスの駐トルコ大使夫人だったメアリー・モンタギューです。
彼女は、トルコの人たちのセラムの風習を知り合いに書き送り、花言葉がイギリスに紹介された最初です。
もう一人は、オーブリー・ド・ラ・モトレイという人物です。
彼は、アジアやアフリカを旅行しオスマントルコに滞在しました。
スウェーデン王の宮廷に招かれたとき、トルコの花言葉を紹介しました。
19世紀、フランスで花言葉が大ブームに!
19世紀になると、フランスで花言葉が大ブームになりました。
1819年にシャルロット・ド・ラトゥールが『花言葉』という本を出版したことがきっかけです。
彼女は、270以上の花にふさわしい花言葉を考案しました。
その命名方法は、花の外形や香りや色や生態などの植物の性質や特徴を観察したり、西欧の文化や歴史や伝統を参考にしたりしました。
特に、バラには重要な位置が与えられ、色や飾り方によって様々な花言葉がつけられました。
この本は、フランスだけでなくヨーロッパ各地で人気を博し、多くの花言葉辞典のモデルとなりました。
イギリスでは、絵本画家のケイト・グリーナウェイが挿絵入りの花言葉辞典を出版し、大きな評判を呼びました。
花言葉は、恋人同士のコミュニケーションや贈り物のメッセージとして使われるようになりました。
明治時代、花言葉が日本に伝わる!
花言葉が日本に伝わったのは、明治時代のことです。
当初は、西欧の花言葉をそのまま使っていましたが、その後、日本独自の花言葉も提案されるようになりました。
例えば、桜には「精神美」や「儚さ」、山桜には「愛国心」や「純潔」、山吹には「待ちかねる」といった花言葉がつけられました。
また、園芸産業の発展とともに、新品種の開発者や販売会社が、花言葉を考案したり募集したりすることもありました。
花言葉は時代や国によって違う!
花言葉は、その国の文化や歴史、花卉業界の宣伝戦略などにも影響されています。
同じ花でも、時代や国によって違う花言葉がつけられていることがあります。
例えば、赤いバラは、西欧では「愛情」や「情熱」を表しますが、東洋では「血」や「死」を連想させるとされています。
また、黄色い花は、西欧では「裏切り」や「腰抜け」を意味しますが、日本では「嬉しさ」や「友情」を表します。
花言葉は、花から受ける印象や感情にもよりますが、それは人それぞれであり、一様ではありません。
現代の花言葉は誰がつけているの?
現在、花言葉を公式に認定する機関は存在しません。
花言葉は、誰でも自由に考えたり提案したりできます。
しかし、それだけに、花言葉はさまざまな国や文化のものが混じり合っているのです。
また、花言葉は、花の美しさや香りや色だけでなく、花の名前や由来や伝説などにも関係しています。
花言葉は、花の魅力を表現する一つの方法ですが、花の魅力は花言葉だけでは語り尽くせません。
花言葉の由来と起源のまとめ
この記事では、花言葉の由来と起源について詳しくご紹介しました。
花言葉は、古代ペルシャから始まり、トルコのセラムという習慣によってヨーロッパに伝わりました。
19世紀には、フランスで花言葉が大ブームになり、多くの花言葉辞典が出版されました。
明治時代には、花言葉が日本に伝わり、日本独自の花言葉も提案されるようになりました。
花言葉は、花から受ける印象や感情にもよりますが、それは時代や国によっても変わります。
由来と起源を知ることで、花に対する理解や感性が深まるのではないでしょうか。