赤ちゃんや子供を車内に置き去りにして死亡させる事件が相次いでいます。

こうしたニュースが報道される度、ネットでは「ありえない!」「忘れるはずない」「無責任だ」「親が悪い!」といったコメントが寄せられます。

しかし、赤ちゃんや子供を車内に置き去りにするというヒューマンエラーは「赤ちゃん忘れ症候群」と呼ばれ、誰にでも起こりうる現象なのです。
あなたにも起きるかもしれません。

そこで、赤ちゃん忘れ症候群をわかりやすく解説しながら、子供を車内に置き去りする事故の原因と予防法をご紹介したいと思います。

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赤ちゃん忘れ症候群とは?

赤ちゃん忘れ症候群は、一時的な記憶喪失状態によって引き起こされる現象です。

人間の脳は、行動の順番を事前に考えていることが多いです。

しかし、ストレスが高まったり、通常のルーチンが変わったりすると、途中で行うべき行動を完全に忘れてしまうことがあります。

アメリカの心理学者であるデビット・ダイアモンド博士は、この現象を「赤ちゃん忘れ症候群」と呼んでいます。

この症候群が起きると、親や祖父母が自分の赤ちゃんの存在を一時的に忘れたりすることがあります。

赤ちゃん忘れ症候群は、誰にでも起こりうる現象なのです。

子供置き去り事故が起きる原因とは?

なぜ子供置き去り事故が起きるのでしょうか?

多忙な生活スタイル

まず、多忙な生活スタイルが一因と言えます。

人間は行動するとき、事前に順番を考えています。

たとえば、自宅を車で出て、買い物をし、保育園に子供を預け、それから会社に出勤する。

ところが、いつも通りの行動が変更されると、途中でするべき行動をすっかり忘れてしまうことがあるのです。

注意力散漫

次に、注意力散漫などの個人的な要因も事故の原因となります。

睡魔や疲労による集中力の低下、他のことに気を取られることなどが原因で子供を見失ってしまうことがあります。

脳の誤作動

たとえば、職場に向かうという「習慣的な記憶」は比較的強く、しっかりと覚えていることが多いです。

しかし、車に乗る際に「今日は保育園に行った後に職場に行く」といった将来の予定に関連する「展望的な記憶」は、忘れられてしまうことがあります。

これは、多くのことを同時に行おうとする「記憶マルチタスクモード」にあるときに、脳が誤動作を起こしていると考えられています。

通勤途中で手紙を投函するのを忘れたり、買い物に行って重要なものを買い忘れたりするのと同様のケースです。

もちろん手紙や牛乳を赤ちゃんと一緒にすることはできませんが、脳の基本的なメカニズムは同じだと考えられています。

つまり、赤ちゃん忘れ症候群は個人の人間性などの問題ではないのです。

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子供置き去り事故の予防法

子供置き去り事故を防ぐためには、保護者自身の意識改革や情報収集が重要です。

まず、常に「チェック&コミュニケーション」を意識しましょう。

子供を車に乗せる場合は、絶対に忘れ物をしないようにするために、出発前に自分自身に確認を促しましょう。

例えば、ドアハンドルにメモを貼ったり、スマートフォンにリマインダーをセットすることで、忘れ物のリスクを減らすことができます。

そして、子供の存在を常に意識しましょう。

車内に子供がいる時には、駐車券を鏡に引っかけたり、おもちゃを車内に置くなどの方法で、子供の存在を確認しやすくしましょう。

また、車を降りる前に必ず後部座席を確認することで、子供が車内にいないことを確認することができます。

また、置き忘れ防止アラームを使うという方法もあります。

置き忘れ防止アラーム

子供置き去り事故は、どんなに丁寧で注意深い人でも起こりうるものです。

しかし、上記の予防法を実践することで、子供の命を守ることができます。

ぜひ、今日から実践してみてください。

子供置き去り事故 過去の事例

近年、日本各地で子供を車内に忘れてしまい、悲惨な結果となる事故が相次いで発生しています。

2004年には岐阜で医師である父親が忙しい朝の準備に追われている中、1歳の女児を保育園に送ることを忘れてしまい、結果的に駐車場で子供が亡くなるという悲劇が起きています。

2016年に栃木で発生した事故では、父親が朝忙しく通勤する際に思考が仕事に集中してしまい、2歳の男児を保育園に送ることを忘れてしまいました。

2017年山口県では、母親が2ヶ月の娘を車から降ろし忘れ、アパートの駐車場で子供が死亡。
宮城県では、祖母が3歳の孫を幼稚園に連れて行くのを忘れ、自宅の駐車場で死亡するという事故も起きました。

2018年長崎県では、帰宅した両親が子供を車から降ろすのを忘れ、1歳の女児が亡くなっています。

このような事故防止のためには、保護者が常に注意深く、瞬間的な思考の自動化に陥らないようにする必要があります。

このような事故は、子供だけでなく保護者や家族にとっても深い悲しみをもたらすものですので、一人ひとりが事故防止に積極的に取り組むことが重要です。

子供置き去り事故は罪になる?

子供を車内に放置してしまう「子供置き去り事故」は、最近社会問題となっています。

だが、このような行為は法的にどのような扱いを受けるのでしょうか?

児童福祉法では、保護者が子供を放置したり、適切な監護を怠ったりすることは禁じられています。

したがって、子供置き去り事故が起きた場合、保護者は法的に責任を問われる可能性があります。

また、子供が死に至ったときは過失致死罪に問われます。

重大な場合には、保護者に対して懲役刑や罰金などの刑罰を課すこともできるため、注意が必要です。

子供置き去り事故まとめ

かわいい我が子を忘れてしまうなんて、考えただけでも恐ろしいですよね。

しかし、実際には誰にでも起きうる事故なのです。

忙しい朝や疲れた帰宅時には、誰でも思考が乱れることがあります。

その時の一瞬のミスが、命取りになる恐れがあるのです。

自分は大丈夫だと思い込まないで、車の乗車・降車時には今回の紹介した方法を実践してみてください。

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