最近よく街中で見かける赤色のヘルプマーク。
外見からはわからない疾患を持つ人が助けを求めやすいようにするものです。
ところが、このヘルプマークが悪用される事態が相次いで起きています。
そこで、ヘルプマークの対象者、入手方法を紹介するとともに悪用事例についても調べてみました。
Contents
ヘルプマークが悪用される理由
ヘルプマークが悪用される事例が増えているのは、対象となる条件があいまいで、誰でも簡単に入手できるためだと言われています。
では、悪用事例を紹介する前にヘルプマークについて簡単に解説しましょう。
ヘルプマークとは?
ヘルプマークは東京都福祉保健局が作成した絵文字入りのマーク。
2012年10月よりサービスが始まりました。
援助や配慮を必要とするものの外見では分からない人たちが、周りに知らせることで助けを求めやすくなるようにという目的で作成されたものです。
当初は東京都独自の取り組みとして始まりましたが、現在は全国の自治体にも拡がっています。
ヘルプマークの対象者は?
ヘルプマークの対象となる人は、
・精神疾患を持つ人
・視覚、聴覚障がいがある人
・知的障害のある人
・妊娠初期の女性
・義足や人工関節の人
ヘルプマーク所持者に求められる配慮
ヘルプマークはカバンなどに付けることで周りの人に知らせる仕組みです。
周りの人は所持者に対しては、以下のような配慮が求められます。
・電車やバスなど公共交通機関で席を譲る
・街中で歩行や階段の上り下りが困難な人への気遣い
・駅や商業施設などで困っている人への声かけ
・災害時に避難が困難な人への支援
ヘルプマークの入手法
ヘルプマークをもらうには障害者手帳などの書類の提示は不要です。
申し出れば誰でも無料で受け取ることができます。
基本的に一人1枚までですが、本人だけでなく、家族がもらうこともできます。
ヘルプマークの配布場所
東京都ではヘルプマークを以下の場所で無料配布しています。
・東京都交通局(都営地下鉄各駅)
・都営バス各営業所
・都電荒川線(荒川電車営業所)
・日暮里・舎人ライナー(日暮里駅、西日暮里駅)駅務室
・ゆりかもめ(新橋駅、豊洲駅)駅務室
・多摩モノレール
・都立病院
・東京都心身障害者福祉センター(多摩支所を含む)
出典元:東京都福祉保健局
ヘルプマークの悪用事例
ヘルプマークは誰でも無料で簡単に入手できることから悪用するケースが増えています。
電車やバスで席に座る
ヘルプマークの対象者ではないのに電車やバスで席に座る目的で所有する。
ヘルプマークは自作できる
ヘルプマークはわざわざもらいに行かないでも、自作できます。
東京都のホームページではヘルプマーク画像をダウンロードできるようになっており、印刷すればすぐに使えます。
対象者以外でも簡単にヘルプマークを入手することができるため、悪用する人がいるのです。
ネットでの転売
ヘルプマークはネットオークションやフリマサイトに数多く出品されています。
値段は700〜1,000円前後。
匿名発送が目立ちます。
無料で入手したものを転売して利益を得るのが目的のようです。
ヘルプマークの悪用事例のまとめ
ヘルプマークは元々は対象者だけが入手できる目的で作られたものですが、 現実は対象ではない人が使っています。
しかも、善意のサービスにもかかわらず、転売で利益を得ている事例まであります。
今後も悪用が相次ぐようなら、申請時に書類を提示するなど入手条件を厳しくするしかないのかもしれませんね。