サラリーマンにとって人事評価は大きな問題です。
昇進・昇給に直接関わってくるだけに誰でも良い評価を得たいものです。
しかし、中には、自分の人事評価に不満を持つ人もいるはずです。
そんなときはどうすればいいのか?どこに相談すればいいのか?
そこで、人事評価で不満がある時の対処法についてわかりやすく解説したいと思います。
Contents
人事評価とは?
人事評価は「従業員の会社への貢献度と能力の評価し、昇進や給与などの待遇を決めるもの」
企業では定期的に行われます。
人事評価に不満があれば、上司や会社の人事部に申し立てるというのは誰にでも思いつく方法ですが、実際はなかなかできません。
しかし、申し立ては必ずしも社内で行わなければならないわけではありません。
労働基準監督署や弁護士などに相談することもできます。
具体的な相談法を紹介する前に、まずは人事評価の仕組みについて解説します。
人事評価の進められ方
人事評価は、原則として「実績評価」と「能力・役割評価」の2つで評価されます。
これは営業、事務、技術など職種に関わりません。
実績評価とは?
企業のそれぞれの部門には、営業であれば売上など目標数値があります。
実績評価では、その数値を個々の従業員がどれだけ達成できたかを検証します。
もちろん、結果だけでなく、仕事のプロセスも評価の対象になります。
これらの評価が高い人材は、待遇面で優位になるのが一般的です。
能力・役割評価とは?
能力・役割評価は、与えられた役割をどれくらい実行し、どれだけ会社に貢献したかを評価するものです。
しかし、実績評価が売上目標いくらと数字が決まっているのに対し、能力・役割評価は明確な数値がないため、指標があいまいになりやすいといわれています。
こうしたことから、従業員からは「正当な評価がされていない」「上司の好き嫌いで評価されている」という不満が出る原因にもなるのです。
人事評価のチェックポイント
人事評価は偏りが出ないよう、いくつかの方法がとられます。
最近では360度評価という言葉もあり、多面的な評価方式を採用する企業も増えています。
自己申告
自己申告は、評価される従業員自身の評価です。
自身がどれだけ目標を達成できたかをチェックします。
ただし、自己評価が甘すぎたり、逆に厳しすぎることもあるため、上司の適正な評価が必要となります。
同僚評価
同僚評価は、上司にはわからない部分を知るために行われます。
たとえば、後輩の面倒見がいいとか、その人の人柄を知るのが目的です。
こうした評価が低ければ、「上司に気に入られればそれでいい」「成果さえ上げればあとは関係ない」という自己中心的な雰囲気が社内に広まってしまい、会社としてはマイナスとなります。
顧客評価
顧客評価は、人事評価の重要な目安となります。
取引先や顧客がその人にどんな印象を持っているか。
その満足度によって、会社のイメージや実績に大きな影響を与えるからです。
人事評価の不満を相談する方法
人事評価に不満を持ったときは、まずその評価のどこに問題があるのかをしっかりと押さえておく必要があります。
人事評価の基準に法的な問題はないか?
人事評価の判断基準に、法令に抵触するような内容がないかをチェックしましょう。
評価が男女で差別されている
性別を理由に給与に差をつけることは、労働基準法第4条で禁じられています。
業務外のことが評価対象に含まれている
飲み会や社員イベントの出席しない、休日の付き合いが悪いといったことは業務外です。
こうしたことが評価対象に含まれている場合は異議を申し立てられます。
評価する人の個人的な感情が入っている
上司の中には、個人的な好き嫌いで部下を評価する人がいます。
こうした合理性を欠く評価は裁量権の濫用にあたり、損害賠償請求をすることも可能です。
会社の都合で評価を下げる
会社にとって都合が悪いという理由で評価を下げられることがあります。
たとえば、違法と考えられるような取引を強要されて断ったというようなケースです。
人事評価に不満を訴える相談先
明らかに不当な人事評価を受けた場合、どこに相談すればいいのか?
人事部やさらに上の役職者
人事評価の不満を訴える場合、直属の上司には言いづらいことがあります。
その場合は、人事部やさらに上の役職者に相談しましょう。
労働基準監督署
人事評価の内容にどうしても納得できない場合は、労働基準監督署の総合労働相談センターに相談することもできます。
センターに行って「個別労働紛争解決のあっせん」を申し込めば、公平・中立の第三者として労働問題の専門家(弁護士・大学教授などが具体的なあっせん案を提示してくれます。
訴訟
上記の相談先でも解決できない場合は、民事訴訟に持ち込むことも可能です。
その場合は、証拠の収集や裁判の準備をするために弁護士を雇う必要があります。
おわりに
人事評価に不満を持つサラリーマンは意外と多いものです。
会社との関係が悪化するのを恐れて、泣き寝入りする人もいますが、将来を考えればマイナスになることもあります。
自分にとってベストな方法をじっくりと考えて行動に移すようにしてください。