私たちの住んでいる地域には民生委員と呼ばれる人たちがいます。

町のいろんな人たちの相談に乗ったり、お世話をしたりする人というイメージはありますが、実際にどんな仕事をするのか?

民生委員になるにはどうすればいいのか?資格は必要なのか?報酬はあるのか?

意外とわからないことだらけですよね。

そこで、この記事では民生委員の仕事についてわかりやすく紹介したいと思います。

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民生委員とは?

民生委員は一言で言えば、地域の見守り役です。

地域住民の話を聞き、福祉や育児などの相談に乗り、必要な場合は役所などの関係サービス機関と橋渡しをする仕事です。

民生委員は、身分としては非常勤の地方公務員という扱いで、厚生労働大臣から民生委員法に基づいて仕事を任せられています。

民生委員はお年寄りのお世話する人という印象がありますが、児童福祉法に基づいた児童委員でもあります。

そのため、地域に住む子どもたちの世話や育児相談も重要な仕事のひとつです。

ちなみに、民生委員は全国におよそ23万人いると言われています。

民生委員の仕事

民生委員の主な仕事は以下のようになっています。

・「社会調査」担当する地域住民の実態把握

一人暮らしをしている高齢者への自宅訪問や声かけ、子育ての状況などの実態を把握する活動です。

・「相談」地域住民の問題を聞き取り、相談。

高齢者の悩みや家族の問題を聞いたりして相談相手となる活動です。

・「情報提供」地域住民への福祉に関する情報提供。

介護保険制度や介護サービスなどがわからないという人のために、福祉に関する情報を提供する活動です。

その他、相談者の相談ごとの関係機関への橋渡しや支援、問題点や改善策を提示する仕事もあります。

民生委員になるには?

民生委員になる条件は、20歳以上で、市町村議会議員の選挙権を有する住民であること。
民生委員になるための特別な資格は必要ありません。

町会や自治会での推薦や公募による募集で候補者を選出し、民生委員推薦会の推薦を受けます。
その後、都道府県知事が推薦された人を厚生労働大臣への推薦し、厚生労働大臣が民生委員の仕事を委嘱するという流れです。

民生委員は社会福祉に対する理解と熱意があり、地域の実情に精通した人が選ばれ、自治会長経験者や役所での勤務経験者などが選ばれる傾向にあります。

民生委員の任期は3年で、3年に一度一斉に改選されます。

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民生委員の報酬は?

民生委員は民生委員法第10条に給与を支給しないと規定されているため、無報酬です。
ただし、民生委員活動に必要な交通費などの実費は活動費として支給されます。

民生委員のメリットとデメリット

民生委員は平均年齢が61.1歳(2016年度)と高く、無給のため、仕事を退職した世代が主ななり手です。

かつては、第二の人生を社会貢献に捧げたいという人がやりがいを感じて民生委員になっていました。

しかし、最近は高齢者問題だけでなく、子どもへの虐待、子どもの貧困、引きこもり、孤独死など、新たな問題ががいくつも出てきたため、仕事はどんどんハードになってきています。

また、地域の問題点を行政に報告しても、解決しないことが多く、無力感にさいなまれる民生委員が増えています。

そのため、民生委員の3分の1は任期の1期で辞めてしまい、慢性的な人手不足も大きな問題となっています。

また、政府が進める高齢者の再雇用によって、なり手不足が加速することが予想されていて、民生委員の仕事は大きな岐路に立たされています。

おわりに

ということで、民生委員の仕事についてご紹介しました。

想像より大変な仕事だと思った方も多いのではないでしょうか?

高齢化、虐待、育児放棄、引きこもり、孤独死・・・
今の社会は困難な問題がどんどん増えています。

そういう意味では、地域の見守り役である民生委員の役割は非常に重要です。
なり手不足が進行しないような早急な改善策が求められそうです。

 

 

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