医療費控除を受けるには確定申告をする必要があります。
医療費控除は年間10万円以上の医療費がかかった場合、確定申告すれば税金が還付されるというものです。
それくらいは知ってるよ!という人は多いと思いますが、「どれだけ還付されるかわからないので面倒」「確定申告の手続きが難しそう」などの理由で申請をしない人もいます。
これはもったいないです。
実際にいくらくらい戻ってくるのか?あなたは計算方法を知っていますか?
さらに、低所得者の場合は、医療費が年間10万円未満でも還付金が受け取れること、5年間さかのぼって請求できることを知っていますか?
さらに、さらに、医療費控除の対象になる費用。交通費も控除対象になるのを知ってましたか?
ということで、この記事では、医療費控除でいくらくらいお金が戻ってくるのか?
わかりやすく解説したいと思います。
Contents
医療費控除で戻ってくる金額の計算方法
医療費控除とは、1年間に支払った医療費の一部を収入から控除できる仕組みです。
医療費控除によって、払い過ぎた税金が戻ってきます。
戻ってくるお金のことを還付金といいます。
その計算法は、
・医療費控除額(支払った医療費-10万円)×所得税率=還付金
では、具体的なケースで見てみましょう。
たとえば、年収300万円の人が20万円の医療費を支払ったとします。
(※保険金などの支払い補填なし)
年収300万円の人の所得税率は10%なので、以下の計算式になります。
[20万円(支払った医療費)-10万円]×10%=1万円
所得税率は課税所得金額によって異なります。
・出典:国税庁 所得税率
年収500万の場合は、
[20万円(支払った医療費)-10万円]×20%=2万円
結構バカにならない額ですよね。
仮に毎年20万円の医療費を5年間申告していなければ10万円。
還付請求しない手はないです。
次に、医療費控除の対象となるものをみていきましょう。
医療費控除の対象となるケース
・医師や歯科医による診療、治療の費用
・治療のためのマッサージ、指圧、はり灸、柔道整復などの施術費用
・助産師による分娩の介助費用
・医師らによる特定保健指導の費用
・介護福祉士らによる喀痰吸引の費用
・保健師や看護師による療養の世話費用
・治療や療養に必要な医薬品の購入費
・病院・診療所などに入るためにかかった人的費用
・病院・診療所に通うための公共機関交通費(公共交通機関がない場合タクシーも可)
いかがですか?医療費控除の対象となるものはかなり多岐にわたっていることがわかるのではないでしょうか?
医療費控除の対象とならないケース
・美容目的の整形外科手術費用
・健康診断や予防接種の費用
・治療に必要ではない近視や遠視のための眼鏡代
・健康増進のためのサプリメント購入費
年間医療費が10万円以下でも還付されるケース
医療費控除は年間10万円以上の医療費がかかった場合ですが、10万円を超えていなくても医療費控除を受けられるケースがあります。
それは「所得200万円未満で、医療費が所得の5%を超えている人」
所得200万円は給与収入でみると、2,972,000円。
該当する人は医療費が年間10万円以下でも控除を受けられる可能性があります。
税務署に問い合わせてみましょう。
医療費控除は住民税にも適用される
医療費控除は所得税だけでなく、住民税にも適用されます。
所得にかかる住民税の税率は10%(都道府県民税・市区町村民税の合計)です。
したがって、医療費控除額の10%に当たる金額だけ住民税が安くなります。
先に紹介した医療費を年間20万円支払った年収300万円(所得税率10%)の人は住民税も1万円減額されるのです。
ただし、住民税は翌年6月以降に納めるため、所得税のように還付されません。
医療費控除で安くなった後の税額を6月以降に納めることになります。
おわりに
いかがだったでしょうか?
医療費控除は申請しないと、損するということがわかって頂けたのではないでしょうか?
普段、薬を買ったり、病院に通う費用なんかは控除対象にならないと思っていた人は、これを機にレシートや領収書をきちんと保管しておきましょう。