・画像引用元:ナルセ機材有限会社
高齢ドライバーの事故が後を絶ちません。
事故原因の多くは「アクセルとブレーキの踏み間違え」によるものです。
こうした事態を受け、東京都は4日、踏み間違いなどを防止する装置の購入費用を補助する考えを明らかにしました。
そこで、アクセルとブレーキ踏み間違え防止装置とはどんなものか?そして、メリットとデメリットについても調べてみました。
Contents
東京都の高齢者事故対策
高齢ドライバーによる死亡事故防止対策として補助金を出すのは、アクセルとブレーキの踏み間違いなどを防止する装置の購入費用。
小池知事は、「高齢運転者の事故が社会問題となっている。事故防止のための手を迅速に打たねばならない」と強調。
安全運転の確保や、運転免許の自主返納への理解促進に努めるとともに、「緊急対策として急発進を防ぐなど事故防止に効果的な装置の取り付けに対する補助金を新たに実施する」と明言しました。
対象とする装置や予算規模、補助事業の開始時期などは未定で、5日から具体的な検討に入りました。
アクセルとブレーキを踏み間違える原因
アクセルとブレーキを踏み間違える最大の理由は、ペダルの構造にあります。
通常のオートマチック車は、車を「進める」アクセルと「止める」ブレーキが同じような形で並んで取り付けられています。
正反対の働きを持つ2つのペダルが同じ場所に並んでいるペダルを踏み間違いやすくなってしまうのです。
また、人間の行動特性も踏み間違いの原因となります。
人は予期せぬ事態が起こり、パニック状態になると、人は反射的に足を伸ばします。
これがアクセルを踏み込んでしまう原因になるのです。
そして、もうひとつは人間の身体構造。
車をバックさせる時に体をねじることで、足元の位置認識に狂いが生じます。
その結果、ブレーキペダルではなく、アクセルを踏んでしまうのです。
アクセルブレーキ踏み間違い防止装置とは?
踏み間違い防止装置は、特殊なペダルを後付けするというもの。
現在いくつかの装置が発売されています。
熊本県の「ナルセ機材」が開発した「ワンペダル」はペダルを1つにすることで、アクセルの作動を制御するという仕組み。
すでに900台ほど売れていて、利用者の評判も良いとのことです。
ワンペダルとは?
ワンペダルとは、アクセルとブレーキを一体化させた世界で唯一の『安全設計ペダル』です。
ブレーキは従来通り踏み込む仕組みですが、アクセルはレバーを足で横にスライドさせるというもの。
これによって、運転中パニックになりペダルを踏み込んでもアクセルは作動しないようになっています。
ワンペダルの操作方法
ワンペダルは1つのペダルに足を置いたまま操作します。
足を右に傾けるとアクセル。踏めばブレーキが作動します。
通常のオートマチック車はアクセルとブレーキの2つのペダルを踏みかえて操作します。
しかし、ワンペダルはペダルが1つで、踏み込んでもアクセルは効かないため、車の暴走を防げるのです。
以下は、操作方法を紹介した動画です。
ワンペダルの価格
ワンペダルは2種類あります。
・シングルタイプ(右足操作用)
170,000円(税込み183,600円)
・ダブルタイプ(両足操作用)
200,000円(税込み216,000円)
取り付けは車の持ち込み、あるいはカーショップで。
取り付け費用は別途必要となります。
購入にあたっては、助成金制度が活用できる場合があります。
身体のご不自由な方(身障者手帳保持者)はほとんどの自治体で、上限で10万円の助成金制度があります。
※詳細はお住まいの自治体(福祉課など)に問い合わせ
もう少し安いものもあります。
ペダルの見張り番
・画像引用元:オートバックス
この装置はオートバックスが販売しているもの。
アクセルを強く踏み込んでも車が急発進しないようにする装置で、バックの時の踏み間違えによる急発進も抑制します。
値段は工賃・税込みで32,399円。
1年間の交通事故傷害保険も付いています。
アクセルブレーキ踏み間違い防止装置のメリット
踏み間違い防止装置の最大のメリットは車の暴走を防げること。
誤ってアクセルを踏み込んでも急発進しないため、安心して運転できます。
アクセルブレーキ踏み間違い防止装置のデメリット
踏み間違い防止装置のデメリットは慣れが必要なこと。
特に高齢者の場合、これまで何十年と続けてきた運転習慣とは違う新しい動作が必要となります。
そのため、慣れるまでに時間がかかるという問題があります。
ただ操作に不慣れでも、アクセルを踏み込むことによる暴走は防げるので、その点では安心です。
また、値段が高いのもネックです。
導入を促進するには補助金は必須でしょう。
まとめ
ということで、今回はアクセルブレーキ踏み間違い防止装置について記事にしてみました。
高齢ドライバーの中には、自分は大丈夫と考えている人が多いようですが、運転能力は年と共に確実に衰えるものです。
重大な事故を起こしてからでは取り返しが付きません。
運転を続けたいという人は、一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。