ことわざには、戒めの言葉が多いですね。

たとえば、「隗より始めよ」

「物事はまず言い出した者から実行せよ」という意味ですが、そもそも「隗」って何?と思ったことはありませんか?

実は、「隗」というのは、実在した歴史上の人物なんです。

なぜ「隗」という人物がことわざになったのか?
調べてみると、納得の理由がありました。

スポンサーリンク

「隗」は中国・戦国時代の政治家「郭隗」(かくかい)

「隗」というのは、「郭隗」(かくかい)という人物名の一部です。

「郭隗」(かくかい)は、紀元前313年、中国「燕」(えん)の時代に実在した政治家です。

時は戦国時代、激しい内乱の末、権力争いを制した燕の昭王は、政治家だった郭隗 (かくかい) にこう尋ねます。

「賢者を集めるにはどうすればいいか?」

すると、郭隗 (かくかい) は、
「まず私を登用しなさい」と答えたのです。

これが「先ず隗より始めよ」の言葉の由来です。

これだけ聞くと、一見、郭隗 (かくかい) は、自信家で傲慢な人物に嫌なやつに見えますが、まったく逆です。

「先ず隗より始めよ」の本当の意味とは?

自分を登用するよう進言した郭隗 (かくかい) ですが、彼はこう言います。

「賢者を招きたければ、まず凡庸な私を優遇してください。
郭隗程度の人間でも優遇してくれるのなら、もっと優れた人物はさらに優遇してくれるに違いないと思って人材が集まってきます」

つまり、大事業を成し遂げるには、身近なことから始めるべきだと訴えたのです。

実際、郭隗の言うとおりでした。
燕には優れた人材が続々集まり、昭王は燕の改革・再建を進めることができたのです。

スポンサーリンク

おわりに

「隗より始めよ」という言葉は「最初に言い出した人間がやって見せるべきだ」というよう他人に押し付けるような意味合いで用いる場合が多いですが、実際は違ったんですね。

郭隗という人物の魅力を伺わせる「隗より始めよ」。

誰かに話したくなるようないいエピソードですね。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
おすすめの記事