テレビを観ていて画面に流れる字幕。
バラエティ番組などは大げさに出して面白く見せることが多いですね。
一方、不思議なのはニュースなどの生放送の字幕。
リアルタイムで字幕が出るのはどういう仕組みなのか?
疑問に思ったことはありませんか?
そこで、生放送の字幕の仕組みをわかりやすく解説したいと思います。
生放送の字幕放送は2方式ある
生放送の字幕放送は人が聞き取ってキーボードで文字入力する方式と、音声認識技術を用いた音声認識方式があります。
キーボードで文字入力する方式
複数のオペレータが交互にリレー入力します。
キーボード入力も2種類あります。
一般的なキーボードを使用する
一般的なキーボードを使用する方式はTBS、テレビ朝日が採用しています。
入力者を短期間で養成できて低コストというメリットがあります。
速記キーボードを用いた方式
速記用のキーボードを使います。
聞き取った音を入力する人と、その文字を漢字に変換する人の2人単位で行います。
スピードは一般的なキーボードを使用する方式より速いですが、高価な専用キーボードが必要でオペレータの養成に時間がかかるため、コストがかかります。
入力は専用機関に委託していて、NHKなどがこれらの会社と契約をしています。
音声認識する方式
音声認識によって文字をリアルタイムで生成する方式です。
音声認識は100%の変換が難しいですが、ニュースの場合、しゃべり言葉と違い、アナウンサーの発声が正確であるため、高い変換率を実現しています。
ちなみに、NHKのニュース番組では、「ハイブリッド方式」を導入しています。
これはアナウンサーの発声など認識率が高い部分は音声認識システムを使い、聞き取りにくい部分のみ専門の担当者が字幕生成のためにセリフを再発声する「リスピーク方式」と兼用するものです。
キーボード方式と音声認識方式は共に放送音声から字幕が表示されるまでどうしても遅延が起きてしまいます。
それを避けるため、VTR収録部分やコメントがあらかじめ決まっているときは事前に字幕を作成していることもあります。
また、ニュース番組などでは事前に原稿が作成されているため、これを放送時の音声のタイミングに合わせて字幕として流すやり方も取られています。
このように最善を尽くしても生放送では誤字や脱字が出てしまいます。
そのため、テレビ局によっては、番組冒頭で「生放送のため誤字脱字が発生する場合があります」などといった断りを表示しています。
まとめ
ということで、生放送の字幕の仕組みについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
日本語は英語と違い、ひらがなやカタカナ、漢字があるため、生放送で字幕を出すのは大変な作業です。
そうした裏方の苦労を考えると、少々の字幕ミスは目をつぶってあげてもいい気になりますね。