書類を書くときに使うことが多い「同上」という言葉。
文字通り「上と同じ」という意味ですが、大事な書類の場合、「手抜き」と思われてしまうのではないかと心配になりますね。
そこで、書類に「同上」を書く時の正しい使い方や注意点をわかりやすく解説したいと思います。
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「同上」の意味
「同上」の読み方は「どうじょう」です。
「上と同じ」と書きますが、書類の上に表記されていることと同じということではなく、「前に述べたものと同じ」という意味になります。
「同上」の正しい使い方と書き方
「同上」を正しく使うにはルールがあります。
「同上」の上記の内容はしっかり書く
「同上」は「前の内容と同じ」という意味を持つ言葉です。
そのため、同上を使う直前の内容はしっかりと書く必要があります。
省略してはいけません。
たとえば、「住所」の項目。
同上を使用する代表例とも言えますが、たとえ長くなっても、マンション名やアパート名、部屋番号まできっちりと丁寧に書きましょう。
表記は住民票に記載されている通りに書く必要があります。
同上を使いすぎない
「同上」は、書類を見やすくするために使います。
長い住所などが何度も書かれていると、読む側が疲れてしまいます。
そのため、「同上」はスッキリさせるために使われるのです。
頻繁に使うと「どこと同じ?」とわかりにくくなったり、手抜きの印象与えてしまいます。
また、表記箇所が2文字で完結してしまうため、書類上の白紙部分が増えてしまうという欠点もあります。
同じ内容だからと言って、何でもかんでも「同上」を使うのはよくありません。
同上は「適度に使う」よう意識しましょう。
「同上」を書く位置は中央ではなく左端
「同上」は「枠の左端」に書くという決まりがあります。
通常書類は上から左、右へと目を通していきます。
そのときに左端に何も書かれていなければ、「空欄」だと勘違いされかねません。
また、空欄のバランスを取ろうとして「同 上」と間に空白を開けるのもNGです。
「同上」を履歴書に使う時の注意点
「同上」は、履歴書を書くときによく使われる言葉です。
長い住所などが何度も書かれていると、読む側が疲れてしまいます。
そのため、「同上」はスッキリさせるために使われるのです。
履歴書で「同上」と書いていい項目
履歴書で「同上」と書いてもいいのは次の項目です。
・住所欄、電話番号、緊急連絡先・帰省先など
・学歴欄の高校、大学への入学、卒業の学校名
・職歴欄の入社・退職の会社名
「同上」を手抜きと思われない書き方
上記の3つの項目は「同上」で問題ありませんが、3つの項目が近くにある場合、すべてで「同上」を使うのは避けましょう。
「同上」はあくまでも履歴書を読みやすくするためのものです。
それでも迷った場合、「同上」は住所欄のみにするといいいでしょう。
漢字が多く読みにくいからです。
履歴書が複数ページの場合は「同上」は使わない
履歴書が複数ページで、前の項目で書いた内容が、ページをまたいでいる場合は「同上」は使わないようにしましょう。
見る側がページも戻らなくてはならず、手間をかけてしまうからです。
「同上」は常に見やすさを意識して使うようにしましょう。
「同上」の「同左」「同右」の違い
『同上』の類義語に『前と同じ』の意味である「同前(どうぜん)」という言葉があります。
また、同じ意味合いの言葉に「同左(どうさ)」「同右(どうう)」があります。
「同左」は見開きの横書きの文書で使います。
次のページが右のページになった場合、左のページに同じ内容があります。
こういった場合は「同左」を使います。
「同右」は縦書きの書類の場合に使います。
前の内容は「右」にあるからです。
「同上」の記号
「同上:は、「〃」の記号で表せます。
この点々は、『ノノ字点(ののじてん)』と呼ばれます。
「同上」の英語表現
「同上」を英語で表現するときは何と書くのでしょうか?
英語の正式な文章では以下のように記載します。
「same as above」
英語圏では公式な文章や書類でもよく使われる単語です。
同上の記号の英語表記は日本と同じく“〃”を使います。
英語ではDitto markといいます。Dittoは、イタリア語が由来だと言われています。
おわりに
いかがだったでしょうか?
書類で「同上」を使う時は守らなければならない注意点があります。
正しい使い方を知って手抜きと思われないようにしてください。