川崎で起きた無差別殺傷事件を機にひきこもり問題がテレビなどで大きく取り上げるようになりました。
そんな中、注目を集めているのが、ひきこもりからの自立を支援する団体です。
しかし、こうした自立支援ビジネスを巡って、トラブルが相次いでいます。
そこで、ひきこもりを食い物にする悪徳業者の実態に迫ってみました。

スポンサーリンク

ひきこもり支援トラブルに消費者庁が注意喚起

ひきこもりは今や大きな社会問題になっていますが、その一方で自立支援をうたう悪徳業者によるトラブルも急増しています。
消費者庁は「ひきこもり支援を目的として掲げる民間事業の利用をめぐる消費者トラブルにご注意ください!」と警告を呼びかけています。

ひきこもりの状態にある方への支援のための1次相談窓口として、各都道府県及び政令指定都市に「ひきこもり地域支援センター」が設置されていますが、それ以外に、民間事業者が、独自の取組を実施している場合があります。

ひきこもり支援を目的として掲げる民間事業者との契約時、そうした民間事業者の利用時等において、対応が説明と異なる、途中で解約できないなど、困ったことがある場合には、「消費者ホットライン」(局番なしの188)を活用し、お近くの消費生活センター等へ御相談ください。

・引用元消費者庁ホームページ

ひきこもり支援ビジネスとは?

ひきこもり支援ビジネスは、家にひきこもっている子供の自立を促すための支援を行うもの。
親や親族と契約し、子供を家から引き出し、共同生活をさせることで、社会復帰を目指すプログラムです。

こうした取り組みを行う団体は全国にあります。
しかし……

「就労支援プログラムを受けられなかったのに500万円を請求された」
「アパートに監禁され、殴る蹴るの暴行を受けた」
などのトラブルを訴える声が相次いでいるのです。

スポンサーリンク

ひきこもり支援悪徳業者の手口

悪徳業者の特徴は、法外な高額契約を親や親族に持ちかけること。
その金額は1ヶ月で約60万円前後、3ヶ月で約200万円~500万円といわれます。

契約を結ぶと、ひきこもりの対象者をアパートなどの施設に強引に入れ、共同生活をさせます。

しかし、「3ヶ月ではひきこもりは治らない」などとして、さらに数百万円の延長料金を出させる場合も少なくありません。
その実態を取り上げたNHKの「クローズアップ現代」の取材によると……

・施設の元入所者
「お腹を殴られたり、羽交い絞めに。何度も何度もやられた。地獄。」

・息子を施設に入れた母親
「このまま向こうの言いなりになっていれば、全財産はたいて生活ができなくなっていた。」

・引用元:クローズアップ現代

子供を預けたある夫婦と娘の被害例

「クローズアップ現代」で紹介された夫婦の被害例は次のようなものでした。

娘のひきこもりに悩む、この夫婦が申し込んだのは宿泊型と呼ばれる自立支援施設。
共同生活を通して生活力やコミュニケーション能力を高め、就労のための訓練も受けられるというものでした。

ところが、その実態は壮絶なものだったと言います。

娘さんは施設の職員が無理矢理連れ込まれ、アパートの一室で指導を受けることもなく食事すら満足に与えられなかったというのです。
さらに、殴られたり蹴られたりの暴行を頻繁に受け、命の危険を覚えた娘さんは施設から逃亡。
今もPTSD心的外傷後ストレス障害に苦しんでいるというのです。

しかし、取材に応じた施設の代表者は、
「事実無根。それ以外コメントすることがない」と否定しています。

悪徳業者を紹介するテレビ番組

こうした実態があるにもかかわらず、テレビのワイドショーなどでは、悪徳支援団体を紹介する事例も増えているといいます。

「ひきこもり新聞」の木村ナオヒロ編集長が5日までにまとめたところによると、川崎殺傷事件後からの8日間で、少なくとも民放とネット放送局の、計5局7番組が、こうした強引な手法を取る「自立支援」施設を取り上げた。

なかには、施設の関係者をゲスト出演させ、「専門家」や「有識者」のように扱っていた番組も複数あった。

・引用元:ヤフーニュース

こうした団体の中には、自治体ごとに設置されている「ひきこもり地域支援センター」との連携体制があるかのように紹介している番組もあったといいます。
しかし、実際にはそうした事実はなく、テレビの誤った報道も問題視されています。

現在、こうした悪徳業者を相手取り、損害賠償や慰謝料を求める裁判も行われており、テレビ局にクレームを入れた人もいるといいます。

まとめ

子供のひきこもりに悩む親を食い物にした自立支援ビジネス。
その悪質な実態はまだまだ伝えられていないようです。

川崎で起きた無差別殺傷事件で不安を抱く親がこうした自立支援団体にだまされるケースが今後も増えそうです。
全国の各自治体には「ひきこもり地域支援センター」があるので、悩んでいる人はまずは公的機関に相談することを強くおすすめしたいと思います。

おすすめの記事
スポンサーリンク